2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K05578
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
松平 洋明 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, 主任研究員 (90549247)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | テンサイ / 種子 / 胚数性 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は,まず多胚性および単胚性の遺伝子発現プロファイルを明らかにするため,RNA-seq解析を進めた。多胚性と単胚性系統を交雑して育成したF3系統群から,多胚性および単胚性を示す各3個体のバルクをそれぞれ3セットずつ準備した。これらの花序先端(多胚性と単胚性の形態が分化する領域を含むと期待される)から全RNAを抽出し,RNA-seq解析を行った。現在得られたデータの分析を進めているが,多胚性で発現量が5倍以上多い転写産物が約70種,逆に単胚性で発現量が5倍以上多い転写産物が約100種得られている。多胚性で発現量の多い転写産物にはF-boxタンパク質遺伝子や細胞分裂に関わる遺伝子をコードすると想定されるものや,ncRNAと予想されるものが複数含まれていた。これらの内いくつかは多胚性遺伝子Mが座乗すると報告されている第4染色体に由来していた。 次に,単胚性種子の中に2 個の果実が融合した二胚種子が混在する二胚性について,遺伝解析の準備を進めた。二胚種子率の高い二胚性系統と単胚性系統のF2分離集団について採種用母根を養成した。収穫した母根をガラス温室に定植し,約60個体から自殖種子を採種するとともにゲノムDNAを取得した。採種した種子の分析を現在進めているが,採種前の花の着生状況から,二胚種子率がよく分離していると期待される。すでに採種およびDNA抽出が完了している70個体(二胚種子率が 0~66.5%で連続分布することを確認済み)と合わせて,今後解析を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RNA-seq解析により,胚数の多様性に関わると期待される転写産物を得ることができた。また,二胚性の解析に必要なF2集団の調査とDNAの取得を完了できた。これらを用いて次年度以降の解析を進める事が可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
RNA-seq解析については第4染色体に座乗する転写産物に注目して多胚性の発現との関連を調査する。二胚性の分離集団について,QTL-seqを行い候補ゲノム領域の特定を試みる。さらに,テンサイコアコレクションについて胚数性に関するGWAS解析を試みる。
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Causes of Carryover |
二胚性の分離集団についてGRAS-Diによる遺伝解析を計画していたが,むしろQTL-seq法を採用したほうが良いと考え,R4年度の実施を見送ったため。解析に使用できる材料はR4年度に増やしたところであり,R5年度にQTL-seq解析を実施予定である。
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