2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K05595
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
神山 拓也 宇都宮大学, 農学部, 助教 (80750801)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | コムギ / 局所施肥 / 異形根 / リン |
Outline of Annual Research Achievements |
リン資源は枯渇が危惧されている。リン施肥量の削減に向け、効率的な施肥条件を明らかにする必要がある。根系は局所的に施用されたリンに応答して、局所的に根を繁茂させ生育を改善させることが知られている。しかし、形態と機能の異なる根「異形根」から構成される根系の「どの異形根」が、「いつから」、「どこまでの土壌中のリン濃度勾配」を「どれぐらいの分解能で感知」し、局所的に根を繁茂させ、生育を改善させているのかはわかっていない。2022年度は、異形根である種子根、節根、側根が、「いつから」、「どこまでの土壌中のリン濃度勾配」を感知し局所的に根を繁茂させ、生育を改善させているのか調べた。その結果、コムギにおいては、生育初期から、総根長は変化しないが、その配分を土壌中リン濃度に応じて変化させることで、生育を増加させることがわかった。この生育改善効果は土壌中のリン濃度勾配が大きくなるほど、大きくなった。また、土壌中リン濃度に応じた根の配分の変化には、側根のみが関わり、この変化は播種後2週間後頃から始まることがわかった。局所施肥による生育改善効果が発揮される土壌中のリン濃度勾配がわかったため、圃場でこのリン濃度勾配を再現することで、収量を改善できる可能性がある。また、土壌中リン濃度に応じた異形根毎の発育データを用い、根系発育モデルを作成し、様々な施肥条件での根系発育をシミュレートし、比較することで、最適な肥料濃度と施肥位置、を提案できる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「どの異形根」が、「いつから」、「どこまでの土壌中のリン濃度勾配」を感知しているのかわかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
土壌中リン濃度に応じた異形根毎の発育データを用い、根系発育モデルを作成し、様々な施肥条件での根系発育をシミュレートし、比較する予定である。
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Causes of Carryover |
1,791円使いきれず、次年度使用額が生じた。次年度予算と合わせ有効活用する。
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