2023 Fiscal Year Research-status Report
Adaptive responses to flooding in wild rice species with the CCDD genome
Project/Area Number |
22K05597
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
笹山 大輔 神戸大学, 農学研究科, 助教 (20554249)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 野生イネ / 洪水適応 / 冠水耐性 / 浮稲性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はCCDDゲノムもつ野生イネ種における洪水適応性(冠水耐性および浮稲性)の調査を目的としている。AAゲノムをもつ栽培イネ種であるOryza sativaにお いては,冠水耐性の主な原因遺伝子はSUB1A-1であり,その下流で働く遺伝子としてERF66とERF67が同定されている。また,栽培イネ種において浮稲性の主な原因遺伝子はSKであるが,それ以外に強く影響を及ぼす遺伝子としてジベレリン生合成遺伝子のSD1と節間形成誘導遺伝子のACE1が同定されている。しかしながら,CCDDゲノム野生イネであるO. alta,O. grandiglumis,O. latifoliaではこれらの遺伝子の存在は明らかではない。そこで,CCDDゲノム野生イネ種でのERF66とERF67,およびSD1とACE1の有無を明らかにし,それらのDNA配列を解析した。調査したいずれの系統においてもこれらの洪水適応関連遺伝子は存在した。それらのDNA配列は,O. sativaとはやや異なるものの,配列情報からはその機能が大きく異なるとは考えにくい結果であった。CCDDゲノム野生イネ種のO. alta,O. grandiglumis,O. latifoliaの系統の洪水応答性を調べたところ,それぞれの種において冠水耐性と浮稲性をもつ系統が複数存在することが明らかとなった。今後は発現解析の点からも調査を進め,これらの遺伝子がCCDD野生イネの洪水応答に関与する可能性についてさらに検討を進めていきたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子配列の調査および系統の表現型調査についておおむね順調に調査を進めることができた。今後は遺伝子発現の観点からさらに研究を進めていきたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度の結果をもととして今後はCCDD野生イネ種系統の洪水応答と洪水適応関連遺伝子の発現解析を中心に行なっていく予定である。
|
Causes of Carryover |
洪水適応関連遺伝子の発現解析について,次年度に注力して研究を進めていく方が有効な活用につながると判断し,次年度使用額とした。
|