新規トランスクリプトーム解析手法によるコンニャクグルコマンナン代謝系の解明

2022 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 22K05601
• Research Institution: Takasaki University of Health and Welfare
• Principal Investigator: 廣瀬 竜郎 高崎健康福祉大学, 農学部, 教授 (90355579)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 橋田 庸一 高崎健康福祉大学, 農学部, 助教 (00802886)
• Project Period (FY): 2022-04-01 – 2025-03-31
• Keywords: コンニャク / グルコマンナン / デンプン / 代謝 / 遺伝子

Outline of Annual Research Achievements

「研究実施計画」で予定していたコンニャク品種「あかぎおおだま」、「みやままさり」の２品種に「支那種」を加えた３品種を計画通りにポット栽培し、生育期間中に適宜サンプリングを行った。得られたサンプルのグルコマンナン、デンプン、および可溶性糖類の含有量を測定するとともにRNAの抽出を行った。その過程で、球茎のグルコマンナン含量とデンプン含量、可溶性糖含量とを同時に正確に測定するためには、従来用いられてきた方法では精度が不十分で、改良が必要であることが判明した。そこで、抽出法や分解法の改良を試みたが、今のところ満足な結果を得ていない。この点は引き続き改良を試みる予定である。一方、RNA抽出は概ね順調にに進み、いくつかの既知遺伝子を対照にしたリアルタイムPCR解析も行うことができた。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

コンニャクの栽培とサンプル採取は当初予定の２品種に新たに１品種を加えた計３品種で行うことができ順調に進捗したといえる。また、RNA抽出も比較的困難な組織である球茎でも概ね問題なく行うことができ、さらに既知遺伝子を用いた発現解析も実施できて順調であった。一方、グルコマンナン、デンプン、可溶性糖類の各含量の同時測定は、多量のグルコマンナンが含まれる球茎では、従来法のままでは問題が多いことがわかり、今後改良を進める予定である。ただし、改良のポイントはある程度明確になっているので、全体としては概ね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

１）引き続き栽培試験を行い、サンプルの採取・収集を進める。
２）球茎のグルコマンナン、デンプン、可溶性糖類の同時測定法の改良を進め、トランスクリプトームとならぶ本研究計画の主要データである上記成分の正確な評価法を確立する。
３）RNA抽出を進め、既存遺伝子による予備的な発現解析を行うとともにトランスクリプトーム解析の準備を進める。

Causes of Carryover

今年度は成分分析法の改良に注力せざるをえず、当初予定していた次世代シーケンサ解析を行わなかったのでその分の残額が発生した。これについては次年度の次世代シーケンス解析のサンプル数増加分として使用する予定である。