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2022 Fiscal Year Research-status Report

Mechanisms of cultivar diversification by transposons using the Japanese morning glory as a model

Research Project

Project/Area Number 22K05632
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

仁田坂 英二  九州大学, 理学研究院, 准教授 (60222189)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsトランスポゾン / エピジェネティクス / 転移活性化 / メチル化
Outline of Annual Research Achievements

アサガオは奈良時代に中国から薬草として渡来し、江戸時代までほとんど変異は記録されていなかったが、江戸時代後期にトランスポゾンの転移による絞り花が見つかったことを契機として、その後、多数の変異体が生じ、栽培ブームが起こっている。そのため、江戸時代にトランスポゾンの転移抑制に関わる遺伝子に変異が生じ、その子孫から多数の変異体が誘発されたと仮定しており、この遺伝子を見いだし、転移活性化のメカニズムを明らかにすることを目的としている。トランスポゾンが転移する主要な要因として、転移を起こす転移酵素(trans因子)、これが結合するトランスポゾンの末端配列(cis因子)、転移を抑制する宿主遺伝子(host因子)の3つが挙げられ、これらを平行して解析し、転移活性化機構を理解することを目的に研究を進めている。
アサガオで主に転移しているTpnトランスポゾンは両末端にサブターミナル反復配列と呼ばれる数百kbの反復配列があり、次世代シーケンサーから得られるショートリード配列では内部の解読・アセンブルが困難であり、末端配列を比較するソフトウェアによって挿入位置を解析している。140系統のゲノム比較によって、江戸期に転移活性化の契機になった変異を起こした遺伝子の探索を行った。複数の候補遺伝子が得られたが、例外なく、転移活性化を説明できる遺伝子は今のところ見つかっていない。また、この解析に付随して、日本の系統は1個体の祖先個体に由来する単系統であるということが明らかになった。そのため、歴史記録にもあるような江戸時代にある個体で偶発的に転移活性化が起こったという仮説が裏付けられた。本研究費に関連して、先進ゲノム支援プログラムに採択されており、1分子シーケンサーを用いることで、これまで解析が困難であった、完全なトランスポゾンの配列やメチル化部位の解析を行うことができるようになる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は次世代シーケンサーによって解読が行われた日本のアサガオ系統および世界各地由来の野生型系統等140系統のゲノムから変異を抽出し、GWASや直接の比較によって、転移活性化系統で変異を起こし、非活性化系統間では野生型の遺伝子を探索した。いくつかの候補遺伝子は見つかっており、他の植物で塩基のメチル化等に関わっていることが知られている遺伝子もあった。しかし、転移不活性化系統と活性化系統間で、例外なくクリアに分かれる遺伝子はまだ同定されていない。そのため、例外系統について、転移酵素遺伝子の転写産物、トランスポゾンのコピー数等解析し、トランスポゾンの転移活性に関する表現型の判別が正しいか検証を行っている。また、ゲノム配列の比較から、日本のアサガオの系統のほとんどは、2つの花色遺伝子に変異、もしくは過去その変異を持っていた痕跡(フットプリント配列)を保持しているという非常に興味深い事実が明らかになった。そのため、日本の系統はほぼ単系統であり、歴史的記録にあるように、偶発的にトランスポゾンの転移活性化が起こった1個体に由来することが示唆される。

Strategy for Future Research Activity

本研究費は先進ゲノム支援プログラムに採択されており、現在トランスポゾンの転移活性化した系統2系統および非活性化系統2系統の1分子シーケンサーによる解析を依頼している。これにより、次世代シーケンサーでは解読が困難であった完全なトランスポゾンの配列やメチル化部位の情報が得られ、転移活性化においてアサガオのゲノムで何が起こっているか、どのような遺伝子が関わっているか推測することができる。
また、以前の遺伝学的解析によって転移不可能な自律性因子TpnA2が主要な転移酵素の供給元として同定されているが、それ以外の自律性因子TpnA1の関与の可能性を排除することができる。
宿主の転移抑制遺伝子に起こった変異遺伝子の同定も引き続き進めるが、Tpnがコードする転移酵素自体に変異が起こり転移抑制を受けにくくなっている可能性についても解析を行う。他にもcis側の因子として、どの非自律性トランスポゾンが転移しやすいか、しにくいか、転移に必要な配列の同定を系統間のトランスポゾンの位置の比較によって行う。またTpnの転移に必要なtrans/cis因子を調べるために、シロイヌナズナに導入し、転移活性を調べることも行う予定で予備的な実験をはじめている。

Causes of Carryover

本研究費は先進ゲノム支援プログラムにも採択を受けており、より高度な、本研究を進める上で非常に有用なデータが次年度に得られる目算が立ち、その結果、当初の計画よりも解析が必要な項目や必要経費が増えることが予想された。そのため、本年度の経費の一部を次年度に持ち越した方が、より良い解析が行えると判断し次年度経費が生じている。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] アサガオにおけるTpnトランスポゾンの転移抑制機構に関わる遺伝子の解析2022

    • Author(s)
      水成 友紀、仁田坂 英二
    • Organizer
      九州沖縄植物学会
  • [Presentation] アサガオにおけるTpnトランスポゾンの転移活性化メカニズム2022

    • Author(s)
      水成友紀、星野敦、白澤健太、山田哲也、仁田坂英二
    • Organizer
      日本遺伝学会
  • [Presentation] 日本のアサガオ系統におけるTpnトランスポゾンの転移活性化2022

    • Author(s)
      水成友紀、星野敦、白澤健太、山田哲也、仁田坂英二
    • Organizer
      日本分子生物学会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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