2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of transcriptional regulation of rice immune response using comparative transcriptome analysis
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22K05649
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堺 俊之 京都大学, 農学研究科, 助教 (50911682)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 種間比較発現解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
事前に得られているRNA-seqデータを用いた発現差異解析の結果、Pii1/2を保有するイネひとめぼれ系統に、AVR-Piiをもついもち病菌を接種した際に、抵抗性に関与すると考えられる遺伝子の発現が顕著に誘導された。 この結果は、ペアNLRがAVRを認識した際に、これらの抵抗性に関与する遺伝子が機能し、細胞死を誘導しているものと考えられる。よって、他のイネ系統のペアNLRに関しても同様の反応が得られることが期待される。 本研究では、Pik-1/2遺伝子を持つ系統「関東51号」と、RGA4/5遺伝子を持つ系統「ササニシキ」、Pii-1/2遺伝子を持つ系統「ひとめぼれ」に対し、それぞれAVR-Pik, AVR-Pia, AVR-Piiを保有するイネいもち病菌を接種し、系統間で共通して保存されている発現変動遺伝子や系統特異的な発現変動遺伝子を、共発現解析や時系列パターン解析を用いて同定することが目的である。 解析のためには、いもち病菌接種後の複数タイムポイントでRNA-seqを行う必要がある。 本年度は、どのタイムポイントでRNA-seqを行うかの条件検討をササニシキを用いて行った。しかし、インキュベータ内でのイネの生育状態が芳しくなく、本年度末まで実験に最適な状態なイネを得ることが出来なかった。ただし、年度末に最適なイネの生育に成功し始めているので、次年度以降、条件検討から再度実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、どのタイムポイントでRNA-seqを行うかの条件検討をササニシキを用いて行い、いもち病菌接種後、何時間経過した時点でRNA-seqを実施すると抵抗性に関与する遺伝子の変動が顕著に表れるのかを確認する予定であった。 しかし、インキュベータ内でのイネの生育状態が芳しくなく、本年度末まで実験に最適な状態なイネを得ることが出来なかった。ただし、年度末に最適なイネの生育に成功し始めているので、次年度以降、条件検討から再度実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の前半に、どのタイムポイントでRNA-seqを行うかの条件検討をササニシキを用いて行い、いもち病菌接種後、何時間経過した時点でRNA-seqを実施するかを決定する予定である。 後半には、Pik-1/2遺伝子を持つ系統「関東51号」と、RGA4/5遺伝子を持つ系統「ササニシキ」、Pii-1/2遺伝子を持つ系統「ひとめぼれ」に対し、それぞれAVR-Pik, AVR-Pia, AVR-Piiを保有するイネいもち病菌を接種し、条件検討にて決定したタイムポイントにおいてRNA-seqを実施する予定である。得られた時系列発現量データを元に、系統間で共通して保存されている発現変動遺伝子や系統特異的な発現変動遺伝子を、共発現解析や時系列パターン解析を用いて同定する。
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Causes of Carryover |
条件検討に使用するためのインキュベータ内でのイネの生育状態が芳しくなく、実験に用いるには最適な状態ではなかった。ただし、年度末に最適なイネの生育に成功し始めているので、次年度以降、条件検討から再度実施する予定である。 そのため、本年度分も含めて、次年度以降に条件検討及び本実験に必要なRNA-seqや試薬等を発注する予定である。
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