2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of ecological function of pioneer tree species and interspecific interaction with late succession tree species for vegetation restoration in Southeast Asia
Project/Area Number |
22K05692
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
徳本 雄史 宮崎大学, キャリアマネジメント推進機構, 准教授 (60780153)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市榮 智明 高知大学, 教育研究部自然科学系農学部門, 教授 (80403872)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 東南アジア / 植生回復 / 先駆樹種 / 金属元素蓄積量 |
Outline of Annual Research Achievements |
東南アジア熱帯では過度な森林伐採やプランテーションなどの開発とその後の土地の放棄により植生の回復に時間のかかる荒廃地が多く存在する。荒廃した土地における土壌改良や植生回復速度の向上を目指し、本申請研究では荒廃地に生育できる先駆樹種の生態系内での機能(種特性や環境形成作用)と、遷移後期樹種との相互作用系(成長などの競争―促進関係)を解明することを目的としている。生態系内での機能としては植物器官に含まれる金属元素蓄積量、乾燥耐性や根からの滲出物を明らかにする。遷移後期樹種との相互作用系は、ポットなどでフタバガキ科などの遷移後期種と先駆樹木種の混植実験を行い、植栽による組み合わせがターゲットとなるフタバガキ科樹木の成長量にどのように影響を及ぼすかの評価を行う予定である。今年度はすでに採取していた先駆樹種4種の3器官(木部、葉、繁殖器官)に含まれる24金属元素(Mg, Al, K, Ca, V, Mn, Fe, Cu, Zn, As, Sr, Baなど)の蓄積量を定量し、既存研究との比較を行った。これまで分析されていなかった元素の蓄積量が明らかになったほか、器官や種による違いが明らかになった。乾燥耐性や根からの滲出物の調査、植栽実験などの現地調査については、マレーシア・サラワク州における研究許可の認可機関の変更に伴い、新たに研究許可を取り直す必要があるため、まだ実施できていない。現地カウンターパートらと継続的に協議を行っており、なるべく早めに現地調査を開始したい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
採取していたサンプルの分析を実施したものの、現地調査ができていないため、やや遅れている。研究調査許可について現地カウンターパートと協議中であり、今後なるべく早めに現地調査を開始したい。
|
Strategy for Future Research Activity |
現地への渡航がいつ可能になるか不明であるため、今年度取得したデータの解析や既存研究レビューなどに重点を置いて研究を推進する予定であり、解析結果を発表できるように研究を進める。 また現地への渡航が可能となった後も、樹木の生育などは時間がかかるため、研究を1年間延期することも視野に入れている。
|
Causes of Carryover |
調査許可の関係から調査地に渡航できていないため、旅費として使用する予定の使用額をそのまま残している。今回生じた次年度使用額については、次年度以降に現地調査が可能となった段階で渡航費として使用する予定である。
|