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2023 Fiscal Year Research-status Report

個体群の遺伝的多様性推移におよぼす復元手法の影響

Research Project

Project/Area Number 22K05713
Research InstitutionRakuno Gakuen University

Principal Investigator

我妻 尚広  酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (30352503)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 東 隆行  北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助教 (20333651)
水島 未記  北海道博物館, 研究部, 学芸主幹 (70270585)
森 志郎  酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (80441971)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2027-03-31
Keywords遺伝的多様性 / 個体群の復元 / 地域性種苗
Outline of Annual Research Achievements

草本類では遺伝的多様性に配慮した個体群の復元手法が明確になっていない。その要因は地域性種苗の導入などの復元手法が個体群の遺伝的多様性におよぼす影響を長期的な視点で明確にした研究が少ないことにあると考えている。そこで、本研究では異なる手法によって増殖・育成された地域性種苗を導入した個体群の遺伝的多様性の推移を継続的に調査することで、異なる地域性種苗の導入がその後の個体群の盛衰や遺伝的多様性に与える影響を明らかにすることを目標とした。そのために、本研究期間では継続的な遺伝的多様性を調査する植物の選定や試験区を設置することとした。継続的な調査を行うにあたり、市民の理解と協力は不可欠であり、それらを得るため、市民への遺伝的多様性に関する啓蒙活動や市民参加型の試験区の設置や調査を行ない、市民に開かれた研究を目指している。一方、本研究は、植物遺伝、分類、栽培、社会教育など異なる分野の研究者が共同で研究を行うことに加え、異なる年齢層の研究者が集うことである。その結果、お互いの専門分野だけでは補うことのできない知識を共有できることに加え、継続的な調査研究が可能となる。
本年度は引き続き供試する植物を選定するため、スズランやクルマユリ、カタクリ、サルメンエビネ、サイハイランなどの候補植物の分布について調査する。一方、昨年の調査で遺伝変異が明らかとなったスズランやカタクリは調査範囲や個体数を増やし、遺伝解析を行い、より詳細な情報の集積を図る。また、これまでに集積した情報をもとに試験区を設置する準備を開始する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

コロナウイルス感染症の影響は軽微なものとなっている。しかし、教育現場では無視できないのも現状であり、広域的な調査は十分に行えず、苦慮している。昨年、試験区設置に向けた有力な候補植物と考えていたエゾコザクラは分布地が高山帯であるため、試験区を設置できる候補地が少なく、調整が難航している。一方、限られた条件の中で、候補植物の分布調査や遺伝解析はある程度進み、スズランやカタクリに関して遺伝変異が検出できた。特に、スズランでは検出された遺伝変異に地域間差がある可能性が伺われ、試験区設置に向けた候補植物として有力視している。現在、データを整理し投稿の準備中である。また、試験区設置に向けた候補地の植生等の調査は十分とは言えないものの、一定の成果は見られている。

Strategy for Future Research Activity

コロナウイルス感染症による不確定要素も軽減し、今後は計画的な広域的調査が可能となるものと思われ、遅れは取り戻せるものと考えている。これまでの調査で遺伝変異が確認できているゼンテイカ、ミゾソバ、ハマエンドウやエゾコザクラなどに加え、スズランやカタクリで遺伝変異を確認でき、環境への影響や継続的な調査の実施の可能性を考慮し、候補植物を絞り込む時期に来ている。本調査で遺伝変異が確認できたスズランやカタクリを中心に調査範囲や個体数を増やし、遺伝解析を行い、より詳細な情報の集積を図る。また、これまでに集積した情報をもとに試験区を設置する準備を開始する。

Causes of Carryover

コロナウイルス感染症の影響で不確定要素が多く、広域的な調査が計画通りに行えなかったため、次年度使用額が生じたものと考えている。
本年度はコロナウイルス感染症の影響が軽減し、昨年行えなかたった広域的な調査や学会への参加を実施することにより、次年度未使用額を使用する計画でいる。

  • Research Products

    (4 results)

All 2024 2023

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] 植物の専門家から見た北海道の今(2)~自然環境に及ぼす影響を知り、記録することが重要.2024

    • Author(s)
      東隆行
    • Journal Title

      開発こうほう

      Volume: 1 Pages: 27-30

  • [Journal Article] サハリン島マグンタン泥火山に固有のロシア産ヨモギの新名2023

    • Author(s)
      高橋 英樹、Barkalov V.Y.、永益 英敏、東 隆行
    • Journal Title

      植物研究雑誌

      Volume: 98 Pages: 221~226

    • DOI

      10.51033/jjapbot.ID0158

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 植物の専門家から見た北海道の今(1)~豊かな自然を観光資源としてみては.2023

    • Author(s)
      東隆行
    • Journal Title

      開発こうほう

      Volume: 12 Pages: 19-22

  • [Presentation] 北海道各地域の植物相の特色2023

    • Author(s)
      東隆行
    • Organizer
      日本植物学会第87回大会
    • Invited

URL: 

Published: 2024-12-25  

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