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2022 Fiscal Year Research-status Report

豊凶の年代変化が樹木の繁殖成功に与える影響

Research Project

Project/Area Number 22K05736
Research InstitutionForest Research and Management Organization

Principal Investigator

柴田 銃江  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (10343807)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords豊凶 / 落葉広葉樹林 / 受粉効率 / 捕食者飽食
Outline of Annual Research Achievements

気候変動にともなって樹木の豊凶が10から数10年のスケールで変化していることが世界各地で報告されるようになった。豊凶の年代変化によって、繁殖にかかるスケールメリット(効率的に受粉し、種子被食を回避する)が失われる可能性が示唆されるも、まだ十分には検討されていない。そもそもブナ科やマツ科以外では豊凶のパターンすらわかっていない樹種も多い。そこで、落葉広葉樹林の多様な樹種について、豊凶の年代変化パターンを明らかにするとともに、繁殖成功への影響を評価する。
本年度は、主要種の豊凶年代変化パターン把握のため、茨城県北部にある小川試験地の種子散布観測を継続した。当該試験地では、観測初期には最多263個の種子トラップを設置していたが、その後に設置数が削減されている上、データ様式が度々変更されてきた。そこで、今回、改めてデータ様式を整備するとともに、1987年から現在まで継続して観測されているトラップ(72個)に基づいてデータ集計した。
その結果、イタヤカエデについてみると、成熟種子については、30年の観測期間全体を通して基本的に2年周期が続いていたが、観測後半ではそのリズムがやや崩れる傾向にあった。一方で、未熟種子は観測後半で増加傾向にあった。このような傾向は先行調査していたミズナラでの結果と類似していた。このような未熟種子の増加は、他の樹種でもおきているのか、その原因は受粉効率の低下や繁殖資源配分に起因するのか、今後検討していく。また、しいな種子を形成する樹種(イヌシデやミズメ等)について、しいな率からみた受粉効率の年代変化を検証するために、当該試験地の過去の種子トラップ試料のサンプリリング調査に着手した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

1年目に計画していた豊凶の年代変化の定量分析が一部の樹種にとどまっている。一方で、2年目計画の準備として、受粉効率年代変化の検証にかかる試料分析作業は順調に進んでいる。これらのことから、やや遅れていると評価した。

Strategy for Future Research Activity

2年目においても、引き続き、主要種の豊凶年代変化パターンを把握するため、小川試験地における種子散布観測の継続とデータ整備を行う。特に1年目で遅れていたカバノキ科クマシデ属の分析を進める。また、受粉効率の評価として、1年目に試料分析作業を先行したミズメとイヌシデの検証を進めるとともに、他のクマシデ属やカエデ属のサンプリング調査にも着手する。

Causes of Carryover

現地調査の回数が当初の想定よりも減少したことにともない、当該年度未使用額(次年度使用額)が生じることになった。この未使用額については、次年度の調査出張費用の一部にあてる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 長期観測でわかってきた樹木の豊凶年代変化2022

    • Author(s)
      柴田銃江
    • Organizer
      小川試験地35周年記念シンポジウム

URL: 

Published: 2023-12-25  

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