2022 Fiscal Year Research-status Report
Effect on genetic diversity of mating system in Ommastrephidae
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22K05788
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
佐藤 成祥 東海大学, 海洋学部, 講師 (40723854)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 遺伝的多様性 / 配偶システム / 精子貯蔵 |
Outline of Annual Research Achievements |
複数の精子貯蔵器官をもつアカイカ科の中で、精子貯蔵器官をもたず、外套膜の内部に複数の精子塊をパッチ上に受け渡すヨーロッパマツイカにおいて、その貯蔵精子からDNAを抽出し、個体識別を行った。精子塊を1バッチしか持たない3個体の雌は、そのバッチのすべての精子塊が単一の雄によって受け渡されたものであることが分かった。2バッチもつ3個体に関してはいずれかのバッチで2から3個体の雄による精子塊であることがわかり、たとえ同じバッチに受け渡した精子塊であっても、複数雄由来の場合があることが明らかとなった。最後に3バッチもつ1個体では、バッチごとのDNAは単一の雄からなるものだったが、バッチ間では異なる雄由来であることがわかり、2個体の雄によって精子が受け渡されていた。 以上の結果から、本種は完全なる単婚ではないものの、単婚傾向が強いということが明らかとなった。これは10個体近くの雄の精子を複数の精子貯蔵器官に貯蔵するアカイカ科の中ではかなり特殊であることがわかる。 また、本年度は、トビイカやヤセトビイカ、アカイカといった国内のアカイカ科サンプルを入手することができ、それぞれの精子貯蔵器官の数や精巣投資量に違いがあることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標としていたヨーロッパマツイカの配偶システムについては、8割がた結果を得ることができた。遺伝的多様性の計測については、当初予定していたCO1等の領域よりもより多様度の指標として適切なマイクロサテライト領域を扱うことに若干の変更を行うことになったが、協力してもらえる研究者ともつながり、こちらも問題なく研究に取り組むことができそうである。
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Strategy for Future Research Activity |
ヨーロッパマツイカの結果を完全なものとしたのちに、論文作成に取り掛かる。 また、現在手に入れている国内のアカイカ科について、形態データを取得する。本年度はトビイカ、ヤセトビイカ、スジイカに焦点を当てて調査を行っていく予定である。 さらに、マイクロサテライト領域を増幅するためのプライマー開発ならびにそれによる遺伝的多様性の計測に取り掛かる。
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Causes of Carryover |
前年度の年度末に支払いを行う予定だった学会旅費の支払いについて、手続きにおける遅れのため、次年度に使用することになった。
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Research Products
(8 results)