2023 Fiscal Year Research-status Report
The effects of antibiotics to the transfer frequency of the antibiotic resistance genes and the evolution of high-level resistance.
Project/Area Number |
22K05790
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Research Institution | Shokei University |
Principal Investigator |
野中 里佐 尚絅大学, 生活科学部, 准教授 (70363265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 大和 国立感染症研究所, 薬剤耐性研究センター, 主任研究官 (20646773)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 遺伝子伝達 / ベータラクタマーゼ / 薬剤耐性菌 / SE / ビブリオ属細菌 / 多剤耐性プラスミド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では養殖環境細菌が既知のトランスポゾン等には分類できない新規の可動性遺伝因子、SEを利用していることを明らかにしその分子メカニズム解析を行ってきた。これまでに2種類のSEが見つかっており、そのうちSE-6945はβラクタマーゼ遺伝子をコードしていることが明らかになっている。SEは伝達性プラスミド上にコードされた状態で受容菌へと移動し、その後プラスミド上から切り出され受容菌染色体上へ組み込まれる。さらにこの染色体上のSEと元のプラスミド上のSEとの間に相同組み換えが生じその結果伝達したプラスミド全長が受容菌染色体へと組み込まれる。プラスミドは染色体上へ組み込まれることにより安定して複製されるためSEの存在は伝達性プラスミドにとってもメリットが大きいと考えられる一方、養殖環境中の細菌群にβラクタマーゼ遺伝子をはじめとする薬剤耐性遺伝子が拡散する要因となっている可能性が非常に高い。 今年度はSE-6945遺伝子がコードする、新規と予想されたβラクタマーゼ遺伝子(NCBIによりblaGMA-1と命名)についてその特性を明らかにした。アミノ酸レベルでの配列解析によりblaGMA-1はクラスAグループの2cに属することが明らかになった。また本遺伝子をクローニングした大腸菌を用いた抗菌薬に対する基質特異性について検討した結果、アンピシリンおよびカルベニシリンに対しては高い最小発育阻止濃度(MIC値)を示したが、その他のβラクタム薬に対するMIC値には変化が見られなかった。このことからblaGMA-1は非常に高濃度の抗菌薬を特異的に分解する基質特異性が限定的なβラクタマーゼであると考えられた。さらに、公開済みゲノム情報を利用した比較ゲノム解析の結果、blaGMA-1のローカス間移動の分子機構としては、可動遺伝因子グループSEの転移に依存したものが最も高頻度であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の目的である遺伝子伝達頻度の評価系がまだ構築できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年に引き続き過去に分離した細菌株の中からSEフリーの伝達性プラスミドをスクリーニングし再度SEのcapturingを試みる。また、別の方法としてSE保有大腸菌をレシピエントとして伝達性プラスミドを接合伝達で導入しSEのcapturingを試みる。
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Causes of Carryover |
教育業務および大学業務等の負担割合が増加し、十分な研究時間が確保できなかったため。また研究補助員が家庭の事情で出勤できず、人件費の使用がなかったことに加え実験が滞ったため消耗品等の出費がなかったため。
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Research Products
(5 results)