2022 Fiscal Year Research-status Report
琵琶湖のホンモロコ資源加入に重要な産卵時期と場所の解明
Project/Area Number |
22K05811
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
亀甲 武志 近畿大学, 農学部, 准教授 (40565537)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ホンモロコ / 水位操作 / 初期生活史 / 産卵生態 / 耳石 / ふか日組成 / 資源変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
琵琶湖固有のコイ科魚類であるホンモロコは琵琶湖漁業の重要な水産資源であるが,漁獲量は激減している。その減少要因として琵琶湖の水位調整によりホンモロコの卵が干出して死亡する可能性が指摘されている。しかし,保全管理を行う際に必要となる,資源の加入に重要な産卵時期や産卵場所は不明で,産卵場内の微細な物理環境に関する科学的な知見も乏しいまま水位調整が行われているのが現状である。 本研究では,ホンモロコを対象として①沿岸域で漁獲された稚魚のふ化日推定により,資源加入に重要な産卵時期と場所を把握,②沿岸域の産卵場所内での微細な物理環境を特定することを目的として取り組んでいる。 資源加入に重要な時期を特定するには、産卵時期を把握することと、実際に確認された稚魚のふ化日を把握推定では耳石の輪紋を計数することが重要である。今年度はホンモロコの産卵場として重要である伊庭内湖での産卵数の推移を調査することで産卵時期を把握した。また伊庭内湖でホンモロコの稚魚を定期的にビームトロールにより定期的に採捕した。現在は、その稚魚から耳石を摘出して輪紋が計数できることを確認できた。 またホンモロコの産卵時期に、琵琶湖の沿岸部のホンモロコの2か所の産卵場において、ホンモロコの産着卵の有無と水深や流速などの物理環境の関係を調査した。その結果、水深が浅く、流れが速い場所を選択して産卵していることが一般化線形混合モデルにより確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
産卵場所内の微細は物理環境については、もともと詳しい産卵場所を把握できていたので、 産卵のピークに集中的に実施することができたので、よい結果を得ることができた。耳石の輪紋数の解析は予備段階として、耳石の研磨方法などを今年は行い、手法を確立することができた。産卵時期の把握は定期的に産卵数を計数することにより産卵時期を把握することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ホンモロコの微細な産卵環境の把握はほぼ特定てきたので、今後はその産卵環境が他の場所に関しても当てはまるのか確認する予定である。また耳石の輪紋数の計数については、今年度予備的解析により手法を確立することができた。そのため、今後は採取した稚魚の耳石の輪紋数を計数することで、ふ化日組成を把握することができる。その把握できたふ化日組成と産卵時期を比較することで資源加入に重要な時期を把握していく予定である。
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Causes of Carryover |
ホンモロコの産卵時期や稚魚の採取が予定していたよりも早く終了したため、旅費や消耗品が不要になったため。今後、解析を進める予定なので、耳石の解析に必要な試薬などを購入する予定である。
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