2023 Fiscal Year Research-status Report
琵琶湖のホンモロコ資源加入に重要な産卵時期と場所の解明
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22K05811
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
亀甲 武志 近畿大学, 農学部, 准教授 (40565537)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ホンモロコ / 産卵場所 / 選択性 / 水位低下 / 産卵時期 |
Outline of Annual Research Achievements |
ホンモロコが琵琶湖沿岸でどのような場所を選択して、産卵しているかを解明するために、 琵琶湖沿岸の2カ所で詳しいホンモロコの産着卵の有無と物理環境を調査した。その結果、ホンモロコは水深が浅い波打ち際に繁茂するヤナギの根などを選択して産卵することが確認できた。ホンモロコの卵は粘性の沈着卵であることから、多くの卵を付着させることができるヤナギの根を産卵基質として選択すると考えられた。また水深が浅い水際部は波が常に当たり酸素が豊富に供給されるため、ホンモロコの卵の孵化率が高いと考えられた。これらの研究成果は日本魚類学会や日本水産学会において学会発表を行った。 4月から6月と長期間にわたるホンモロコの産卵時期のうちどの時期が資源加入に重要なのかを解明するために、ホンモロコの産卵場所である内湖で採捕された稚魚の耳石からふ化日を推定した。また内湖の産卵場所であるヨシ帯と河川での産卵数も併せて調査した。その結果、産卵数は5月中旬から6月に多かったが、ふ化日の組成は4月に盛期が確認された。産卵の後期である5月中旬以降は琵琶湖の水位低下に伴い、ホンモロコの産着卵が干出して死亡することが関係すると考えられた。これらの研究成果は日本水産学会において学会発表を行った。 さらにホンモロコの産卵に関する知見としてCanadian Journal of Fisheries and Aquatic Sciencesと日本水産学会誌にそれぞれ論文が受理、掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ホンモロコの資源加入に重要な産卵場所については、調査は実施済であり解析も終了した。得られた結果について学会発表も行い、現在論文を執筆している段階である。 ホンモロコの資源加入に重要な産卵時期については、2022年の調査は実施済であり解析も終了した。現在2023年の調査結果を解析中である。最終年の2024年にはこれまでの結果をとりまとめ学会発表を行い、論文として発表予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ホンモロコの資源加入に重要な産卵場所については、最終年度の2024年度に論文としてとりまとめ投稿予定である。 ホンモロコの資源加入に重要な産卵時期については、2023年の調査結果を解析を行い、最終年の2024年には学会発表を行い、論文としてとりまとめ投稿予定である。
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Causes of Carryover |
解析に使用した個体数が想定よりも少なかったため、予定よりも使用額が少なかった。最終年度には追加の個体の解析や学会発表、論文投稿などを行い、予算金額を執行予定である。
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