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2022 Fiscal Year Research-status Report

Development of FISH probes by microsatellite sequences to visualize the reticulate evolution of Acropora corals.

Research Project

Project/Area Number 22K05820
Research InstitutionKochi University

Principal Investigator

久保田 賢  高知大学, 教育研究部総合科学系黒潮圏科学部門, 教授 (00314980)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 目崎 拓真  公益財団法人黒潮生物研究所, 研究部局, 研究所長 (20840482)
田口 尚弘  高知学園大学, 健康科学部, 教授 (80127943)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsマイクロサテライト / 網状進化 / ミドリイシ属サンゴ / FISH分析
Outline of Annual Research Achievements

2022年度は,夏季のミドリイシ属サンゴの産卵時期(例年7月~9月の下弦前後)の天候不順により,クシハダミドリイシ等の一部の種については試料収集が可能であったものの,交雑実験の実施のために十分な試料を得ることはできなかった。
マイクロサテライト領域のFISH(蛍光in situハイブリダイゼーション)分析用プローブの開発について,上記のとおり胚試料が採取できたこと,全ゲノム配列情報が公的データベースに登録されていることなどから,クシハダミドリイシに焦点を絞り,”Tandem Repeats Finder”プログラムを用いて,繰り返し配列の網羅的分析を実施して繰り返し配列のリストを作成した。その結果,全205種の繰り返し配列が検出された。コピー数については,そのうち187種の配列について,500以下であることが分かったが,1500~2000コピー存在するものも2種存在した。また,繰り返し配列長については,500 bp長まで万遍なく分布していた。
FISH分析では一般的に,1,000 bp以下のサイズのプローブではたとえゲノムDNAとの配列の類似性が高くてもシグナルが弱く,対象物の検出が困難である。そこで,FISHプローブ開発の候補として,繰り返し数と繰り返し配列長の積を計算し,その分布を確認した。その結果,10,000~15,000 bpのサイズのものが118種,15,000~20,000 bpのものが44種,20,000~25,000 bpのものが23種と,FISHプローブとしては十分な長さを有していることが判明した。
ここで得られた配列については,繰り返し配列の外側の配列(繰り返しでない)が判明しているため,その部分でPCRプライマーを設計し,FISHプローブを作成するとともに,繰り返し配列部分について,約30 bpの合成ヌクレオチドに蛍光標識をしたものも作成してFISH分析を行なった。しかしながら,どのプローブについてもシグナルを検出することができなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

天候不順により,網状進化の検証に必要な種間交雑胚の取得に必要な,産卵個体(バンドル)の採取が困難であったことが挙げられる。
繰り返し配列がFISHプローブとして機能しなかった件について,ポジティブコントロールに当たる実験では,十分なシグナルが観察されていることから,採取した群体の種(クシハダミドリイシ)がゲノム配列の公的データベースに登録されている同種(Acropora hyacinthus)と生物学上異なる可能性が高いと考えた。この問題については,独自に全ゲノム配列を解析すること,そのデータセットを用い,改めて繰り返し配列の検索を行なうことが根本的解決法であると考えている。

Strategy for Future Research Activity

交雑胚が得られなかったことについて,主な原因が天候の問題であったため2023年度も同様な問題に直面する可能性もある。そのような場合については,過去に採取したバンドルを使って交雑させ,染色体分析に適切なステージまで発生させて固定した保存試料での分析が可能かどうかを検討する。
FISHプローブの開発において,対象としている種の群体から全ゲノムDNAを生成し,ゲノム配列を分析することが根本的解決法ではあるものの,当初の研究計画に含まれておらず,本助成では費用を捻出することが困難である。そこで,他のミドリイシ属サンゴのゲノムDNAの配列解析結果と共通性の高い繰り返し配列を探し,それをプローブとして用いるなどの方法を検討する予定である。

Causes of Carryover

FISH解析を担当する分担者田口の方では,当初多くの交雑個体の観察を予定しており,スライドグラスおよびカバーグラスの購入を検討していたが,予想より採取されたバンドルが少なかったため,12,530円の未支出を生じた。
次年度では,当初予定どおりこれを標本観察に充てる予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] CGH法を用いた染色体観察によるゲノムDNA間の相違の検出2022

    • Author(s)
      川上 玲,田口 尚弘,目崎 拓真,Joshua Vacarizas,久保田 賢
    • Organizer
      日本サンゴ礁学会第25階大会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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