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2023 Fiscal Year Research-status Report

Long-run Analysis of the nutritional, cultural and agronomical factors concerning rice supply-and-demand economics

Research Project

Project/Area Number 22K05852
Research InstitutionTsukuba Gakuin University

Principal Investigator

荒幡 克己  筑波学院大学, 経営情報学部, 教授 (90293547)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2027-03-31
Keywords水田畑地化 / 五年水張問題 / 米余り / 水田余り / 田畑輪換
Outline of Annual Research Achievements

2023年度は、現下の農政で、「水田畑地化」の問題が焦点となったこともあり、本研究の三大テーマ、「栄養」、「食文化」、「作目転換」のうち、第三のテーマを優先して研究を進めた。このホットな話題である「水田畑地化」について、現行農政にも有益な知見を提供することを念頭に置き、異なる二つの手法により研究を進めた。
第一に、現下の農政課題を把握するために、以前から本研究及びその前身の研究でも行ってきた「全国各県調査」について、「水田畑地化」に焦点を当てて実施した。従来と同じ方法で、概ね2か年かけて全国を巡回調査する計画とし、今年はその一年目を実施した。県庁、県農協中央会を訪れ、県下の概要を把握した上で、より現場に近い市町村や単協を調査した。
第二に、北海道を除く内地について、明治以降の歴史的な水田土地利用の推移について、各種の統計データにより分析した。特に、水田と畑の比率に注目した。
第二の分析から得られたことは、現代が、日本農業が歴史的に経験したもっと高い水田比率である、ということである。明治初期は54%であったものが、現在、66~70%にも達している。農政が「水田畑地化」を推進する、ということは、歴史的に見ても「日本の伝統的な農村景観、原風景」を損なうものではなく、米需要の見通しを見れば、妥当な方向であることが明らかになった。
しかし、その一方で、第一の手法による分析で得られた結果は、この農政方針に対する厳しい現場で反発であった。県知事自体が政策の白紙撤回を求める等、一時は大混乱となっていた事実が明らかとなった。
以上を踏まえると、次年度も、一層この課題を深めて、農政の妥当性とそれへの現場の反感、この大きなギャップを、研究として冷静な視点で、客観的に解明していくことが重要である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の三大テーマ、「栄養」、「食文化」、「作目転換」のうち、第三テーマに焦点を当てた。このため、「栄養」、「食文化」に関する研究は、やや停滞しているものの、第三のテーマは、大きく進展した。全体としては、概ね順調である。

Strategy for Future Research Activity

2024年度は、引き続き、前年焦点を当てた「作目転換」について、特にその全国各県調査について、前年の残りの県を巡回調査するとともに、「栄養」、「食文化」のテーマに関する研究を進める。これらのテーマに関しては、戦後昭和20年代の栄養政策に関する県議会議事録の収集等、ある程度のデータ集めは着手しており、本年度、これを本格的に展開していきたい。

Causes of Carryover

各県調査は、2023年度は、早急に情報を得る必要があったので、日程的に関東、東北等、近場を中心として行った。次年度は、南九州、四国や北海道等の遠隔地で行う予定である。このため、資金的には次年度繰り越しが生ずることとなった。次年度は、遠隔地のため、同じ県の数でも、多額を要することとなる。

  • Research Products

    (3 results)

All 2024 2023

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 水田畑地化を巡る「五年水張問題」とその後の展望 ―歴史的、地理的分析・考察と国際比較から見た意義―2024

    • Author(s)
      荒幡克己
    • Organizer
      農業経済学会
  • [Presentation] 2050年における米需要と生産の見通し及びその政策ビジョン-昭和40年代から語られていた「消費下げ止まり論」の行方と水田余り論の是非-2023

    • Author(s)
      荒幡克己
    • Organizer
      フードシステム学会
  • [Presentation] 2050年の水田土地利用見通しと政策的ビジョン2023

    • Author(s)
      荒幡克己
    • Organizer
      農業経営学会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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