2022 Fiscal Year Research-status Report
インフォデミックによる食を巡る風評被害発生過程の解明及び抑制の為の深層学習の適用
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22K05859
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
加藤 弘祐 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 本部, 研究員 (70825322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 淳子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 本部, ユニット長 (00355471)
石田 貴士 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 助教 (30623467)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 食の風評被害 / 自然言語処理 / インフォデミック / ソーシャルメディア / リスクコミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画の推進と達成に向けて、2023年度においては、主に下記の三点に取り組んだ。第一に、今般のCOVID-19の世界的流行に伴うインフォデミックに関する研究蓄積、および、2011年に発生した福島第一原発事故に伴って生じた食品への風評被害に関する研究蓄積について、学術文献を中心とした文献サーベイにより調査した。更に、文献サーベイにおいては、将来的なインフォデミックが生じた際の対策検討のための消費者実験の設計に向けて、インフォデミックを引き起こし得る要因についても調査を進めた。その結果、現在急速に普及している大規模言語モデル(Large Language Models)を用いたサービスについて、誤情報の拡散による新たなインフォデミックを発生させる可能性が指摘されていることが知見として得られた。第二に、COVID-19によるフードシステムや消費者の食意識への影響について、計量的な観点に基づいた上で研究動向を見通すため、発展的な文献サーベイとして、学術文献を対象とした科学計量分析の適用を図った。第三に、インフォデミック下における適切なリスクコミュニケーション手段の検討に向けたアンケート調査の設計を行い、調査結果に対する分析手法についても検討を進めた。分析手法については、アンケートの回答テキストを対象として、単語および回答文の極性を定量的に測ることの可能な手法の選定を進めた。次年度以降に実施するテキスト分析において、本年度検討した分析手法である、教師なし機械学習を用いた自然言語処理手法を採用する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19による食品消費行動への影響や今般のインフォデミックの影響に関するアンケート調査の検討及び調査項目の設計作業、そこで得られた調査結果に対する分析手法の検討などを優先したことから、ソーシャルメディアにおける投稿データの収集が不十分な状態となっており、その点で遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度については、インフォデミック下における風評被害を防ぐための適切なリスクコミュニケーション手段の検討に向けたアンケート調査を実施する予定である。また、ソーシャルメディア上での投稿データの収集については、SNSのデータ提供APIの仕様変更や料金改定に伴い、収集データ量の不足が懸念されるため、先んじて、インタビュー調査や消費者実験の実施に向けた準備を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
SNSのデータ提供APIの仕様変更や料金改定に伴い、データ取得に関する予算の変更が見込まれる状況にある。可能な限り長期間のデータ取得を図るため、次年度以降にソーシャルメディアのデータ収集に利用するための予算として、2023年度予算の次年度使用を行う。
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Research Products
(6 results)