2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K05868
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡部 岳陽 九州大学, 農学研究院, 准教授 (10371014)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 集落営農 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度は、いわゆる政策対応型集落営農が広範に広がっている東北地域における集落営農の解散状況について、県・市町村レベルの現地実態調査を行い、以下の事実を把握することができた。 ①統計分析から予測されていたとおり、近年、非法人の枝番集落営農組織を中心に解散する事例が一定程度存在していた(調査対象県において年間15~25件)。ただし、その多くは実質的に個別営農を存続していた農家の集合体であり、設立以降、組織内において構成員の分化が進行していたとはいえ、組織解散後も地域農業の姿に大きな変化が生じなかったケースが少なくなかった。 ②集落営農を実質的に牽引していた構成員のリタイヤにより、解散に至ったケースもいくつか存在したが、そうした場合においても、周りに存在する農家や他の集落営農により農地の耕作が維持されており、地域農業において大きな問題は生じていなかった。 ③以上のように、現状では集落営農の解散は地域農業の縮小・解体にはつながっていなかった。とはいえ聞き取りを行った行政担当者はいずれも、今後経営維持が困難となる集落営農が急増することを危惧しており、そうした事態をカバーする担い手をいかに確保・育成していくかを喫緊の課題として指摘していた。今後、研究を進める際の視点として盛り込む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究対象の一つである東北地域を訪問し、集落営農解散の概況を把握することはできたが、当初計画していた他地域への訪問ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1年目に調査を行った東北地域において集落営農の解散事例の実態調査を進めるとともに、初年度訪問できなかった地域への調査を行う。 その上で、福岡、山形、茨城各県から選定した集落営農の解体が進行している市町村に対して現地調査を実施し、(ア)「政策対応型」集落営農の解体要因、(イ)集落営農解体後の地域農業の動向、について明らかにする。 また、研究3年目に実態調査を行う予定の愛知、滋賀の各県庁を訪問し、県行政が把握している県内市町村における集落営農の解体状況についてヒアリングを行うとともに、翌年に実施する調査地の選定に向けて協議を行う。
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Causes of Carryover |
予定していた現地実態調査のいくつかを行うことができず、旅費としての支出が少なかったことが次年度使用額が生じた理由である。次年度においては、今年度予定していた調査も含めて精力的に調査を実施する予定である。
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Research Products
(1 results)