2023 Fiscal Year Research-status Report
プラスチックの炭化リサイクルによる新たな農業用土壌改良材の開発
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22K05878
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
丸居 篤 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (80412451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大嶺 聖 長崎大学, 工学研究科, 教授 (60248474)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | プラスチック炭化物 / 保水性 / 土壌改良 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、土壌改良材として、また、温室効果ガス削減のためにバイオ炭(Biochar)の利用が進んでいる。有機物の増加による土壌微生物の増加、土壌の保水性改善、排水不良地の透水性改善や土壌への炭素貯留が見込めるためである。本研究では、廃プラスチック(とくにポリエチレンテレフタレート;PET)の炭化物による土壌改良効果について検討した。 実験室内のマッフル炉(FUW232PB, ADVANTEC社)においてステンレス製容器内に入れた状態で、900℃および600℃で60分間燃焼し、PET炭化物を作成した。砂質土壌(珪砂7号)に作成した各PET炭化物を質量比1%,3%および5%で混入し、変水位透水試験および水分特性曲線作成を行った。その結果、PET炭化物には強い撥水性が見られ,乾燥密度1.4g/cm3に調整した試料では飽和透水係数が若干低下した。水分特性曲線を作成した結果,砂質土壌のみの場合と比べ,PET炭1%,5%の混入で容易有効水分量はそれぞれ1.6%,2.8%増加し,有効水分量はそれぞれ2.7%,3.8%増加した。 砂質土壌(珪砂7号)を充填したポットに各種のPET炭化物,市販のヤシガラ炭を質量比1%で混入し、2か月間のコマツナの栽培試験を行った。コントロール(砂質土壌のみ)と比べPET炭を混入したポットの収穫量は約2倍,微生物活性は約3倍となり,ヤシガラ炭と同等の値であった。PET炭化物の土壌改良材としての有用性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PETの炭化方法を確立し,粘性土壌および砂質土壌における栽培実験は実施済である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き異なる設定で栽培実験を行い、PET炭混入が土壌の理化学性や微生物活性に与える影響を調査する。また,フィールドにおいて実証実験を行う。
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Research Products
(2 results)