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2023 Fiscal Year Research-status Report

多様な主体が活躍できる地域づくりワークショップに関する研究

Research Project

Project/Area Number 22K05880
Research InstitutionIbaraki University

Principal Investigator

福與 徳文  茨城大学, 農学部, 教授 (30414436)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords地域づくりワークショップ / 参与観察 / 模擬ワークショップ実験 / 会話分析 / 男女の影響力の差
Outline of Annual Research Achievements

地域づくりワークショップ(以下、WS)における男女の影響力の差を明らかにするため、1)茨城県H市O地区のWS(計2回)を参与観察し、2)大学生対象に模擬WS実験を実施した。
O地区のWSは、午前に地域資源を点検し、午後から資源を活かした活性化方策について話し合うというもので、話し合いの様子を録音・録画し、男女の参加率、発言回数などを分析した。その結果、1)1回目のWSにおいて、午前中の点検活動には参加していた女性が、午後の地域の将来に向けての話し合い時には全員帰宅してしまい、「地域の将来を話し合うのは男性の役割」という固定観念が地域にあることが明確になった。2)2回目のWSにおいては、外部有識者から1回目のWSにおいて女性の不在を指摘された実行委員会(地域の役員)により、女性が地域の将来を話し合う場にも参加するように誘導され、なおかつ男女同じ回数発言できるように配慮されていた。しかし指名された女性のほとんどが「私が発言させられるとは思っていなかった」と前置きして発言していた。「地域の将来のことは男性が決める」ということを、男性だけではなく、女性もそう思い込んでいることが判明した。
一方、学生を対象とした模擬WS実験では、8名(男女4名ずつ)を、男女混合、同性のみのグループに編成し、「廃校活用計画」に取り組んでもらい、それを録画して「支持」「沈黙」「割り込み」を分析した。その結果、「支持」については、女性の反応が、相手の性別に関わりなく僅かに強かったが、「沈黙」は異なる学年の参加者が含まれたグループ(親密度が低い)に多く見られたほかは、大きな違いが見られなかった。また「割り込み」(影響力の差が最も現れる)は全てのグループで確認できなかった。このことから性差は「支持」などに僅かに存在するものの、現代の若年層の間には男性から女性へ、逆に女性から男性へ影響力の行使は確認されなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

実際の農村地域で行われた地域づくりワークショップの話し合いの参与観察と、大学生(若年層)を対象とした模擬ワークショップ実験を実施し、現在の若者と農村(中高年齢層)における男女の影響力差を明確にできたため。

Strategy for Future Research Activity

実際の農村地域(茨城県H市O地区)において実施された地域づくりワークショップの参与観察によると、農村地域における男女の影響力差が明らかに認められた。一方、現代の大学生(若年層)を対象とした模擬ワークショップ実験では、男女の影響力差はほとんど認められなかった。その結果を踏まえ、令和6年度は、農村地域における地域づくりワークショップにおいて、男女の影響力差などを排除して、多様な主体が活躍できる地域づくりを進めていくための条件を明らかにしていく。このため、茨城県H市で過去10年間で約30地区で実施された地域づくりワークショップの参加者の男女比率とその成果などを比較分析したり、全国の多様な主体が活躍している地域づくり事例を調査分析したりして、多様な主体が活躍できるための条件を明らかにし、それを促進するような地域づくりワークショップのあり方を提言する。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じたのは、模擬ワークショップ実験に要した人件費・謝金(学生バイト:8名2時間)が想定していたより低く抑えられたことと、主たる研究フィールドが県内であるなど、旅費も抑制されたためである。次年度は、主たるフィールドである茨城県H市との比較分析を行うため、多様な主体が活躍している地域づくりの事例調査を(全国を視野に)実施することにより、次年度使用額も含めて研究費を有効活用する計画である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2023

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] 地域づくりと農政:日本型直接支払による地域資源の保全・管理2023

    • Author(s)
      福与徳文
    • Journal Title

      日本民俗学

      Volume: 314 Pages: 98-109

  • [Journal Article] 地域の内発性を引き出す参加学習型の計画づくり2023

    • Author(s)
      福与徳文
    • Journal Title

      農業電化

      Volume: 76 Pages: 18-24

URL: 

Published: 2024-12-25  

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