2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K05885
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
西山 竜朗 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (30294440)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | ダム / 地盤 / 強さ / 亀裂 / 有限要素法 |
Outline of Annual Research Achievements |
農業用ダムの分野においては、ストックマネジメントや未曾有の大災害といった新しい経験を経て、新たに浮き彫りになった課題への対応が急がれている。本研究では、ダム堤体および基礎に生じる破壊、中でも特に亀裂顕在化のメカニズム、ならびにその連鎖・累積として生じるために難題となっている強制せん断のメカニズムを解析し、実務への貢献を想定した形での力学的解釈をまとめようとしている。具体的には、有限要素法において個々の亀裂発生・進展を離散ひび割れモデルで表現することによって、その累積である全体的な破壊のメカニズム、すなわち実務で最も求められる損傷要因に対する明快な理論的解釈を実現しようとしている。解析ではこれまでに先行して開発を進めてきているプログラムをベースとして、亀裂表面力および亀裂複合部の取り扱いにおいて解析目的により適する手法への置き換え、より妥当かつ精緻なモデル化を実現するための計算容量増大、解析目的に適う独自図化といった機能拡張を図ることとしている。 計画初年度である本年度においては、岩盤せん断試験およびアーチダムシアキーの直接せん断を想定した数値実験を主な対象としながら、有限要素法による2次元離散ひび割れ解析プログラムの開発を進め、その過程で具体的に次のような成果が得られた:①亀裂を含む不連続面上の接触解析を、二重節点およびジョイント要素のいずれによっても行えるようプログラムを整備した。前者については新たに、定ひずみ三角形要素での離散化における1次四辺形要素の応用による隅角部表現の採用により、隅角部接触解析の妥当性を向上させた。後者においては、通常の四辺形ジョイント要素による試行計算の過程で、閉合の表現における三角形ジョイント要素の合理性を見出し、その実装とともに正常動作の確認に至った。②アーチダムシアキーの強度特性について、シアキー形状による特性の変化に対する知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細部には当初想定外の成果が得られたが、全体的には当初想定通りの進捗状況であるため、このように判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように、現時点で当初想定通りの進捗が得られており、以後の想定にも変更はないため、次年度も当初計画に従って研究を進めたい。なお、細部に当初想定外の成果が得られ、したがってプログラム開発自体に当初予定よりも重点を置いたため、大型演算への具体的準備は次年度以降に先送りしている。
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Causes of Carryover |
当該年度において当初想定外の成果が得られたことによってプログラム開発自体に当初予定よりも重点を置いたため、大型演算への具体的準備を次年度以降に先送りすることとした。当初、当該年度に予定した支出を、次年度に執行予定である。
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Research Products
(1 results)