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2022 Fiscal Year Research-status Report

島嶼地域の稲に耐暑性を与え収量を増加させるための廃ガラス肥料の開発

Research Project

Project/Area Number 22K05892
Research InstitutionOkinawa National College of Technology

Principal Investigator

三宮 一宰  沖縄工業高等専門学校, 生物資源工学科, 准教授 (10462152)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 井口 亮  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (50547502)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords廃ガラス / ケイ酸 / イネ / 収量 / 耐暑性 / 形態学
Outline of Annual Research Achievements

廃ガラス利用素材(以下新素材)を用い、夏季と秋季でイネ栽培を行った。仮説と異なり、栄養成長期の植物体量の比較で、夏季は収量減少、秋季は収量増加となった。この結果から、新素材は、栄養成長期にはイネに耐暑性を与えないことが明らかになった。
新素材を用い、収量増となる成長過程の、イネの形態を調べた。収量の156%に最も顕著に相関した形態は、種子数の205%であった。新素材による収量増の形態学的原因は、種子数である可能性がある。
新素材および既存ケイ酸肥料から純水へのケイ酸の溶出を、モリブデンブルー法で確認した。既存肥料からの溶出に比べ、新素材からの溶出は、非常に顕著であった。この結果は、従来まで有効なケイ酸肥料が無かったこと、および、新素材は十分な収量増加をもたらすはじめてのケイ酸肥料としての可能性が高いこと、を裏付けている。
新素材から溶出するケイ酸への、イネLsi遺伝子発現応答を、RT-PCR法で解析した。イネのケイ酸取込みには、LSIタンパク質が働く。このタンパク質をコードするLsi遺伝子は、新素材由来のケイ酸への応答発現を示した。この結果は、新素材から溶出したケイ酸が、イネに取り込まれていることを、分子生物学的に証明したことを示している。
イネがケイ酸に応答することをさらに証明するために、ケイ酸によるイネの形態変化に関わる遺伝子を、新規にクローニングする。2022年度は、その解析のための全mRNAを抽出した。2023年度は、この全mRNAから、ケイ酸応答し、かつ収量増加に関わるイネの遺伝子をクローニングする。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

新素材栽培による耐暑性の付与は、仮説と異なりネガティブな結果となった。
新素材栽培による形態変化について、非常に相関するのは種子数、と分かった。
新素材は、既存のケイ酸肥料との比較で、明らかに顕著に、収量増加に有効なケイ酸を溶出することが分かった。
新素材由来のケイ酸に、イネLsi遺伝子が応答することが明らかになった。
ケイ酸に応答し、かつ、収量増加に働く、イネの新規遺伝子クローニングのための、全mRNA抽出を行った。

Strategy for Future Research Activity

新素材栽培による耐暑性付与について、収量増加が確認できるか、今後は生殖成長期まで検証する。
新素材栽培で収量が上がる際の、形態学的相関について、種子数以外に、分げつ数、葉数を調査する。このことにより、この収量増加の形態学的原因を解明する。
新素材由来のケイ酸が、イネに取り込まれることを、モリブデンブルー法で解析する。また、その量はイネ栽培に十分であるかを検討する。
ケイ酸を与えたイネから抽出した全mRNAを、RNAseq解析する。このことにより、ケイ酸応答し、かつ、収量増加に働く、新規のイネ遺伝子をクローニングする。さらにクローニングした遺伝子を発現解析し、ケイ酸によるイネ収量増加の分子機構を明らかにする。

Causes of Carryover

旅費、人件費、その他、について、次年度使用となった。

URL: 

Published: 2023-12-25  

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