2022 Fiscal Year Research-status Report
多様な嗜好と健康性に対応した3Dフードインクの開発と立体造形食品の最適化
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22K05902
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
齋藤 高弘 宇都宮大学, 農学部, 教授 (50221990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 匡嗣 宇都宮大学, 農学部, 助教 (60750198)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 3Dフードプリンター / フードインク / 加水量 / 粘弾性特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では数種類の異なる加水量の食品を用いて3Dフードプリンター用インクとしての適合性を評価するとともに,粘弾性特性を検討した。試料には安く,大量に,簡単に入手でき,接着剤も水で使用できる観点から糖質含有食品を選定した.4種類の糖質含有食品で異なる加水比(含水率40~85%)でペースト状に調製し用いた.物性の測定は,硬さ,付着性,凝集性,弾力性,粘着力とした.硬さは3Dフードプリンタ用インクにおける押し出しに必要な力,付着性および粘着力は印刷後の造形物の粘着性,凝集性は食材のまとまりやすさ,そして弾力性は造形物の形状保持性を,それぞれ評価する指標とした. 全ての食材において, 含水率の増加に伴い,硬さと付着性,粘着力の値は低下した一方で凝集性の値は増加した.糖質含有食品の含水率は,3Dフードプリンター用インク の押し出しに必要な力とまとまりやすさに大きな影響を与えていることが示唆された.また,硬さが7844から10409paの間に立体整形に重要となる形状保持の限界点があることが考えられた.植物性材料では,形状保持の条件は満たしていたものの,ノズルからの吐出のキレが悪く,正確な造形ができなかった.これは,植物性材料に含まれる不溶性食物繊維の影響であると考えられた. 今回用いた全ての糖質含有食品において,適切な含水率が存在するとともに,繊維質を多く含む食材は,安定した印刷には向かないと考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究費を活用し,最も普及されると考えられる3Dフードプリンターを手に入れ,その機械的機構を分析し,実際に考えうるフードインクの材料と水分特性に基づく適性などについて実用性の高い計測プロトコルを開発できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は糖質含有成分食品の,澱粉量やアミロース量等の含有成分と粘弾性特性の関係を明らかにする.
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Causes of Carryover |
端数部分について繰り越すこととした。
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