2023 Fiscal Year Research-status Report
Compound-eye spectral sensor for the foundation of calibration-transfer-free spectral mearsurements
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22K05918
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
蔦 瑞樹 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 上級研究員 (80425553)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 近赤外分光法 / 器差補正 / 多変量解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は2022年度に試作した複眼型分光装置を用い、提案手法により構築する仮想分光器間の器差が既存の分光装置に比べて小さくなるか検討した。まず、試作機および既存分光器(クボタ製K-BA800)3台それぞれについて、検出部の上にシャーレを設置し、液体の透過反射スペクトルを測定できる実験系を構築した。次に、ショ糖溶液を濃度0から30%、2%間隔で用意し、スペクトルを測定した。 試作機については、ハロゲンランプ光源を直接測定して、装置構成する16個の小型分光センサの波長-感度特性を把握した。波長-感度特性にKennard-Stoneアルゴリズムを適用し、小型分光センサを特性のばらつき具合が似通った3つグループに分けた。各グループの小型分光センサで取得したショ糖溶液のスペクトルを平均化し、3台の仮想分光器による測定データを構成した。 仮想分光器1台のスペクトルにPLS回帰分析を適用し、ショ糖濃度の推定モデルを構築した。このモデルを残り2台の仮想分光器のスペクトルに適用し、ショ糖濃度の推定値を算出した上で、実測値との差(バイアス)を計算した。推定モデル構築に用いる仮想分光器を入れ替えてバイアスの計算を繰り返し、バイアスの平均値と標準偏差を求めた。同様の解析をK-BA800で測定したデータについても実施した。 仮想分光器とK-BA800のバイアスを比較したところ、前者が後者よりも大幅に小さくなることが分かり、本申請課題で提案する手法が分光器の器差低減に有効であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
装置試作、器差解消手法の開発、その効果検証と申請書に書いた計画通りに進捗しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
さらにデータ解析を進め、Brix推定誤差0.5%以下を達成するために必要な小型分光センサの個数を明らかにする。
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Causes of Carryover |
当初予定よりも消耗品の購入金額が少なかったため。次年度の消耗品購入に充てる。
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