2022 Fiscal Year Research-status Report
駆除対象草本植物の飼料化に適した白色腐朽菌の分子育種
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22K05937
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
入江 俊一 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (30336721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 敏法 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (00734261)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 食用きのこ / シイタケ / ひらたけ / ゲノム編集 / 飼料 / CRISPR/Cas9 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒラタケにおいて組換えにあたらない遺伝子改変系を開発を目指すため、CRISPR/Cas9発現カセット遺伝子の一時的導入による目的遺伝子の破壊を試みた。その結果、複数の目的遺伝子破壊株を得ることができ、それらの多くにCas9遺伝子が含まれていなかった。これにより、RNPとは異なり選択マーカー遺伝子によりゲノム編集株を素早く選抜できる非組換え遺伝子改変系の開発につながる技術の開発ができた。 シイタケは我が国においてヒラタケ以上に有名な食用担子菌である。種村らによると植物由来飼料に対する高い性能改善効果が期待される(種村ら Aquaculture 2016;453:130-134)。しかし、ヒラタケ以上に遺伝子工学的実験手法の開発が遅れており、遺伝子機能解析に必須である遺伝子ターゲティングの成功例も存在しない。ドナーベクターのみ用いたシイタケpyrG遺伝子の相同組換え(HR)による破壊を3回試行したところ22個/実験のカルボキシン耐性株を得ることができたが、HR体は含まれていなかった。これによりシイタケにおいても他の真正担子菌綱の菌類と同様にHRよりもNHEJが優先的に起こることが示された。次に、pyrG遺伝子を切断するように調製したCRISPR/Cas9カセットを持つCas9ベクターとの共導入実験を行った。3回の試行で36個/実験のカルボキシン耐性株を得ることができた。このうち7株についてはHRによるシイタケpyrG遺伝子の破壊が確認された。Cas9遺伝子配列のゲノムPCRを行ったところ、7株中5株については増幅が確認できなかった。得られたΔpyrG株を宿主としてシイタケpyrG遺伝子の導入を2回繰り返したところ、平均6個/実験の原栄養体を得ることができた。これにより新規選択マーカー遺伝子としてもシイタケpyrG遺伝子を利用できることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年8月に実験材料であるクズ葉を30 kg程度採取し、各種実験に用いる予定だったが、保存用ストッカーの故障により、実験に用いることができなくなった。9月下旬以降に再度クズ葉の採集を試みたが、繁茂する時機を逸していたためクズ葉を用いた実験の大部分を断念した。以降、食用白色腐朽菌におけるゲノム編集技術、繊維分解関連遺伝子群の解析に注力することにした。
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Strategy for Future Research Activity |
クズ葉を用いた実験を行う。ヒラタケにおける繊維分解関連遺伝子の解析を続ける。また、本年度の解析により予想外にシイタケにおける遺伝子工学的技術開発が進んだので、シイタケにおける遺伝子研究ツールをヒラタケ並に充実させ、シイタケを処理菌とした条件についても更に検討したい。本研究では遺伝子の改変により強力な処理菌を作成することも目指しているが、ヒラタケやシイタケにおいてセルフクローニングかつナチュラルオカレンス相当の遺伝子改変技術を開発する。これによりカルタヘナ法の規制を受けないより安全性が高い高性能処理菌を作成可能となるだろう。
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Causes of Carryover |
一部の実験を次年度に繰り越したため。
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