2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K05983
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
中村 達朗 酪農学園大学, 獣医学群, 講師 (80755554)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アレルギー性鼻炎 / 脂質メディエーター |
Outline of Annual Research Achievements |
アレルギー性鼻炎は、花粉やハウスダストなどの環境抗原が原因で鼻腔内にアレルギー性炎症が生じる疾患である。即時相炎症反応とその数時間後に引き起こされる遅発相炎症反応により病態が進行する。特に、遅発相の増強・遷延化が病態の重症化に大きく寄与する。脂質メディエーターは、免疫細胞を連鎖的に活性化して増幅し、炎症の極性やその強度を規定する役割をもつ。アレルギー性鼻炎においては主にマスト細胞から産生されるプロスタグランジンD2やロイコトリエンC4が血管透過性の亢進や好酸球浸潤を誘発して病態の悪化に寄与することはよく知られている。近年、遅発相の鼻粘膜に浸潤するマスト細胞以外の免疫細胞も脂質メディエーターを産生することが明らかになってきた。実際、それらの免疫細胞に由来する脂質メディエーターの代謝物がアレルギー性鼻炎患者の鼻汁や尿中で検出されることが報告されている。しかし、遅発相を機能的に促進するメディエーターの種類と役割は未だ不明である。今年度における本研究において、卵白由来アルブミンを用いて作製したアレルギー性鼻炎モデルマウスの検討から以下の成果を得た。①質量分析装置をを用いて遅発相の鼻腔洗浄液を解析したところ顕著に増加した脂質メディエーターを特定した。②その合成酵素阻害薬が遅発相反応および所属リンパ節におけるTh2細胞数の増加をほぼ完全に抑制し、③そこに脂質メディエーターを経鼻投与するとそれらの抑制がほぼ完全に解除された。④鼻粘膜では好酸球および血小板に脂質メディエーターの合成酵素が発現していた。当該年度の研究成果から、アレルギー性鼻炎を重症化する新たな因子(脂質メディエーター)を発見したといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アレルギー性鼻炎の遅発相で多く産生されている脂質メディエーターを発見し、その遅発相における役割も見出した。さらに、脂質メディエーターを産生する細胞の特定にも至った。本研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、見出した脂質メディエーターやその産生細胞を標的とした新しい治療法の提案の基盤知見となる成果を得ることを目的としておこなう。
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Causes of Carryover |
ほとんど予定通りであったが、効率的な実験を進められたために未使用額が生じた。翌年度は物品費として使用する計画である。
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