2022 Fiscal Year Research-status Report
播種性血管内凝固の早期診断の確立:NETsに関連した臨床マーカーはどれか
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22K05989
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岩永 朋子 東京農工大学, 農学部, 特任講師 (60713287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 隆治 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10466922)
齋藤 靖生 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 助教 (10731581)
伊藤 隆史 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (20381171)
畑井 仁 岩手大学, 農学部, 特任教授 (40566535)
高橋 雅 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 准教授 (40750419)
丸山 治彦 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (60434106)
三浦 直樹 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 教授 (80508036)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 播種性血管内凝固(DIC) / Nets / 敗血症モデル / 血栓 / TTAS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は敗血症などのときに発生し,発症すると致死率が高い播種性血管内凝固(DIC)における早期診断マーカーを評価するとともに,モデル動物を用いて,その病態を探索することが目的である。DICに病態においては血栓形成が行われるが,その過程において好中球によるNETsがカギとされている。今年度はまずは低用量LPS投与による敗血症ウサギモデルを用いて,LPS投与前および投与後における血栓形成変化を観測し,NETsの中心である好中球の動向と血栓形成の関係,血栓マーカーや血管内皮細胞障害の評価を行った。 ・血栓形成変化:血栓形成観測システム(TTAS)による評価:全血を病的血管を模したトロンボプラスチンなどを塗布したマイクロダクトへ一定のシェアストレスで注入し,その血栓形成過程を観察するシステムである。LPS投与開始30分から45分後までは血液凝固は延長する傾向を示した。しかし,投与開始45分から60分後には再び血液凝固が亢進する傾向が認められた。 ・血液検査評価:完全血球計算(CBC)および血栓マーカーの動向:CBCでは白血球および血小板はLPS投与開始直後から有意に減少し続けていた。赤血球に有意な変化は認めなかった。血栓マーカーの一つであるD-ダイマーは有意な変化は認めなかった。 ・血管内皮障害変化:血中シンデカン1濃度測定:血管内皮障害マーカーであるシンデカン1の血中濃度を測定したところ,LPS投与後10分後から上昇する傾向が認められた。 ・血栓形成と好中球によるNETs形成の可視化:TTAS測定で使用したマイクロダクト内に形成された血栓の免疫染色を行い,フィブリン血栓および白血球の形態評価を行った。LPS投与10分後に一部NETsを形成していると思われる好中球が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度はモデル動物を作成し,そのモデル動物での評価を中心に行っている。10月に大学を異動したため,手続きなどのため,動物実験が一時的に停止している。そのため,やや進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
血管内皮細胞障害がNETs形成にはカギとなると考えている。そこでいままでのモデル疾患動物における肺の血管内皮細胞障害を電子顕微鏡で評価する。また,実際のDICでは基礎疾患や敗血症になりやすい背景が存在する。本モデルは低用量LPS投与のみで,プレコンディションのような状況を作成できていない。そこで,Exotoxin Aを前投与した群などを作成して,評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度の大学を異動したため,動物実験が一時休止した。そのため,次年度使用額が生じた。モデル動物作成費および電子顕微鏡評価や各マーカー評価を行うための消耗品代が大半を占める。また,共同研究者との打ち合わせおよび学会発表を行う予定であるため,旅費として使用する予定である。
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