2022 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of a clinical chemistry test method using a medical agarose electrophoresis kit for captive Asian elephants.
Project/Area Number |
22K06008
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
山岸 則夫 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 教授 (30281877)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アジアゾウ / 動物園飼育下 / 血清化学検査 / アガロース電気泳動 / アルカリフォスファターゼ / クレアチニンキナーゼ / 乳酸脱水素酵素 / 血清タンパク |
Outline of Annual Research Achievements |
動物園は生息域外保全の場所として希少動物の保全活動を推進する責務がある。保全活動の一つとして動物の健康管理があり、この健康管理データは国内外の動物園施設と共有される。健康管理データには血液検査成績が含まれるが、測定法が異なる測定値は単純に比較することができない。最近、日本では、従来一般使用されていた血清アルカリホスファターゼ(ALP)の測定法が、日本臨床化学会(Japanese Society of Clinical Chemistry; JSCC)が定めた測定法から国際臨床化学連合(International Federation of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine; IFCC)の測定法への切り替えが進行中である。そこで、最初の実験として、飼育下アジアゾウの血清ALPの測定法に関する検証を行った。 過去の定期健診で採血し凍結保存していた血清50検体(6頭分)を供試し、総ALPとアイソザイム(ALP2およびALP3)のJSCCおよびIFCC法による活性を測定し、Pearsonの積率相関係数を求め、Deming回帰分析による比較を行った。総ALP、ALP2およびALP3活性の測定間の相関係数は、それぞれ0.994、0.802および0.962で、BrennanおよびSilman (1992)の基準でstrongおよびgoodな相関であった。Deming回帰分析の回帰式(y:IFCC測定値、x:JSCC測定値)は、総ALP:y=0.380x -1.29 (P<0.0001)、ALP2: y=0.348x + 6.77 (P<0.0001)、ALP3: y=0.362x + 1.67 (P<0.0001)であった。以上より、アジアゾウにおける総ALPとアイソザイムのIFCC測定による活性はJSCC測定値の約1/3であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、各測定項目のアガロース電気泳動像の解析、凍結保存による影響、ライフステージによる影響に関する実験を進行中である。したがって、進捗状況は、「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度も、当初の予定通り、各測定項目のアガロース電気泳動像の解析、凍結保存による影響、ライフステージによる影響に関する実験を推進する予定である。
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