2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of long noncoding RNA-targeting therapies for canine tumors
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22K06013
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
吉村 久志 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 准教授 (70645241)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 長鎖ノンコーディングRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
まずイヌ乳腺癌細胞株6種類(CIPp、CTBp、CNMp、CHMp、NV-CML、NV-442L)における長鎖ノンコーディングRNAの発現を、リアルタイムRT-PCRにより調べた。 LincRNA-p21は、ヒトにおいてp53依存性のアポトーシスを誘導することが知られており、様々ながんの抑制機能を有するとされる長鎖ノンコーディングRNAである。イヌの乳腺癌細胞株でLincRNA-p21はわずかながら発現しており、CNMp株でやや高い発現が認められた。今後はその機能について、in vitroで解析する。 Metastasis-associated lung cancer transcript 1(MALAT1)は、ヒトの多くのがんの発生と発症に関与し、バイオマーカーや治療標的として機能していると報告されている長鎖ノンコーディングRNAである。一方でMALAT1が、がんの進行を抑制するとされる相反する報告も認められる。今回、イヌの乳腺癌細胞株のいずれにおいても、MLAT1が非常に多く発現しているのを確認した。しかしその後の解析で、イヌのMALAT1として登録されている塩基配列がMALAT1 Antisense RNA(TALAM1)であることが判明し、リアルタイムRT-PCRに用いたプローブはTALAM1とMALAT1の両方を検出する可能性が示された。TALAM1はがん形成の過程でMALAT1を制御しているともされる長鎖ノンコーディングRNAである。今後は、組織上でMALAT1とTALAM1の局在を検討し、イヌの乳腺腫瘍におけるその機能を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
登録されているイヌのMLAT1の塩基配列が、TALAM1の配列だったことが判明したため、実験の遅延が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
登録されている配列が間違っているという予期せぬ事態があったものの、MLAT1とTALAM1の相互関係が、これまでがんにおけるMLAT1の相反する機能の報告につながっている可能性もあることが示唆された。今後は、これを検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
先に記載した理由による実験の遅れから、次年度使用額が発生した。事由が解消されたため、昨年度行えなかった実験を今年度順次行っていく予定である。
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