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2022 Fiscal Year Research-status Report

Analysis of the mechanism of maintaining sexually robustness in mammalian fetal testis development

Research Project

Project/Area Number 22K06022
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

平松 竜司  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (70555284)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 金井 克晃  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (30260326)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsマウス / 精巣 / 性分化 / 体腔上皮 / FGF9
Outline of Annual Research Achievements

哺乳類の生殖腺発生過程において、雌雄の支持細胞(卵胞上皮細胞/セルトリ細胞)の性決定が精巣/卵巣の運命決定を担っている。未分化の生殖隆起形成時に体腔上皮より生じた支持前駆細胞は、SRYの有無に基づく遺伝子プログラムにより雌雄の支持細胞へと分化し、一次性索を形成する。精巣では一次性索形成後である胎齢11.5日以降では、体腔上皮からの支持細胞の供給は行われないとされているが、我々はこれまでに、性決定後の胎子精巣からセルトリ細胞を除去することで体腔上皮からFOXL2陽性の卵胞上皮様細胞が生じることを明らかにしている。そこで本研究では、セルトリ細胞除去精巣における体腔上皮からの支持細胞供給過程について細胞動態の観察並びに遺伝子発現解析を行い、正常精巣発生過程においてセルトリ細胞が体腔上皮からの供給をいかに抑制し、精巣分化の堅牢性を保証するか明らかにするとともに、その破綻がもたらしうる性分化異常症の発症機序の解明につなげることを本研究の目的とする。本年度は蛍光色素により体腔上皮をマーキングしたのちに胎子精巣からセルトリ細胞を除去し、器官培養したところ、除去後4日目に認められた卵胞上皮様細胞の一部が蛍光色素にマーキングされていたことから、これらの卵胞上皮様細胞が体腔上皮から生じたことを明確にした。また、セルトリ細胞除去による精巣体腔上皮からの卵胞上皮様細胞供給は、胎齢12.5日精巣では認められるものの、14.5日精巣では生じず、臨界期があることを示した。さらにセルトリ細胞から分泌される液性因子に注目し、セルトリ細胞を除去した胎子精巣にそれらの因子を添加し培養したところ、FGF9の添加により卵胞上皮様細胞の出現を抑制することを明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

本年度において、セルトリ細胞除去精巣における体腔上皮からの細胞動態解析の実施を計画していたが、蛍光色素を用いた体腔上皮のマーキング、並びにマーキングした精巣の器官培養が順調に進行し、除去後4日目に観察される卵胞上皮様細胞が体腔上皮から生じていることを明確にすることができた。また、令和5-6年度に実施を計画していた体腔上皮からの卵胞上皮様細胞供給を抑制する因子の同定について、セルトリ細胞除去による精巣体腔上皮からの卵胞上皮様細胞供給は胎齢14.5日の精巣では生じなくなるという臨界期の同定、この卵胞上皮様細胞供給を抑制する液性因子として、セルトリ細胞から分泌されるFGF9であることを同定するなど、当初の計画を前倒しして進んでいることから、上記の通り自己評価した。

Strategy for Future Research Activity

実験1:セルトリ細胞除去精巣における体腔上皮からの細胞動態解析
令和4年度に明確にした、セルトリ細胞除去後精巣における卵胞上皮様細胞が体腔上皮から生じることについて、体腔上皮から増殖・共有される細胞に長期間発現するWT1の発現解析など、裏付け実験を実施するとともに、生殖腺-中腎境界領域にも生じるFOXL2陽性細胞についてもその動態解析を追加して行う。
実験2:体腔上皮からの支持細胞供給を抑制する因子の同定
令和4年度に体腔上皮からの卵胞上皮様細胞供給を抑制する因子として同定したFGF9がどのように分化を抑制するかの分子メカニズムの解明を追加して行う。本解明にあたり、卵胞上皮様細胞では間質細胞マーカーであるNR2F2が陰性であること、NR2F2は胎齢12.5日の精巣体腔上皮では陽性であるのに対し、卵巣体腔上皮では陰性であるという性的二型の発現パターンを示すことに注目し、FGF9がNR2F2の発現を制御するかどうかを、生殖腺器官培養におけるFGF9およびFGFシグナルの各種阻害剤の添加により明らかにする。また、それらの添加によりNR2F2の発現の有無が制御されることが示された場合、添加条件における遺伝子発現解析を行い、発現変動する遺伝子の同定を行う。
実験3:体腔上皮からの供給された支持細胞の性的未分化性の検証
すでにHsp70-SryトランスジェニックマウスとAMH-TRECK系統マウスの掛け合わせを進めており、セルトリ細胞除去後精巣にSRYを強制発現することで、卵胞上皮様細胞がセルトリ細胞マーカーであるSOX9が発現するかについて検証する。その強制発現のタイミングや方法について条件検討を行う。

Causes of Carryover

実験1:セルトリ細胞除去精巣における体腔上皮からの細胞動態解析において、蛍光色素での体腔上皮のマーキングにより卵胞上皮様細胞になることを示せたため、蛍光蛋白遺伝子などを導入した遺伝子改変マウス等の使用を検討する必要がなくなり、若干の使用額の余剰が生じた。研究進捗の伸展に基づき、次年度は体腔上皮からの卵胞上皮様細胞供給が精巣でどのように抑制されているかの分子メカニズムの解明を追加して行う予定であり、それらに使用する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2022

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Gonadal Sex Differentiation and Ovarian Organogenesis along the Cortical-Medullary Axis in Mammals2022

    • Author(s)
      Imaimatsu Kenya、Uchida Aya、Hiramatsu Ryuji、Kanai Yoshiakira
    • Journal Title

      International Journal of Molecular Sciences

      Volume: 23 Pages: 13373~13373

    • DOI

      10.3390/ijms232113373

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] SOX17-positive rete testis epithelium is required for Sertoli valve formation and normal spermiogenesis in the male mouse2022

    • Author(s)
      Uchida Aya、Imaimatsu Kenya、Suzuki Honoka、Han Xiao、Ushioda Hiroki、Uemura Mami、Imura-Kishi Kasane、Hiramatsu Ryuji、Takase Hinako M.、Hirate Yoshikazu、Ogura Atsuo、Kanai-Azuma Masami、Kudo Akihiko、Kanai Yoshiakira
    • Journal Title

      Nature Communications

      Volume: 13 Pages: 7860

    • DOI

      10.1038/s41467-022-35465-1

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] Amh欠損雄マウスにおける雄性環境下での遺残子宮の発達解析2022

    • Author(s)
      今井松 健也、村田 千晴、東山 大毅、三浦 健人、平手 良和、金井 正美、平松 竜司、金井 克晃
    • Organizer
      第165回日本獣医学会学術集会
  • [Presentation] マウス新生仔精巣の器官培養下におけるセルトリバルブの誘導系の確立2022

    • Author(s)
      韓 笑、内田 あや、平松 竜司、恒川 直樹、金井 克晃
    • Organizer
      第165回日本獣医学会学術集会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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