2023 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of a novel treatment for canine glucocorticoid-induced muscle atrophy focusing on the pathogenesis of mTORC1 suppression
Project/Area Number |
22K06025
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
西飯 直仁 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (20508478)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | グルココルチコイド / 筋萎縮 / 犬 / mTOR / 分岐鎖アミノ酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
イヌのグルココルチコイド誘導性筋萎縮の病態を調べるため、培養イヌ骨格筋細胞にデキサメサゾン(DEX)を添加した。DEX添加により骨格筋細胞は有意に細胞径が短縮し、筋萎縮が誘導された。ユビキチン・プロテアソーム系、オートファジー・リソソーム系、 mTOR経路、アミノ酸輸送体の4つの機構に関連する遺伝子転写量および蛋白質リン酸化に関して、DEX添加後の変化を解析した。DEXの添加によって、Foxo1、Foxo3、Murf1、Atrogin1、Grb10、Klf15、Pid1、Sorbs1、p85α、Sesn1、Bnip3およびMap1lc3bの転写量が増加し、Lat1の転写量が減少した。また、DEX添加後にmTOR、p70S6K、4EBP1の蛋白質リン酸化が減少した。このことから、DEXはユビキチン・プロテアソーム系、オートファジー・リソソーム系の亢進およびmTOR経路およびアミノ酸輸送体の抑制により、骨格筋における蛋白質の異化を亢進し、かつ同化を抑制することで、筋萎縮を誘導することが示唆された。抑制されたmTOR経路を活性化する治療法として分岐鎖アミノ酸に注目し、本モデルを用いて分岐鎖アミノ酸の治療効果を検討した。その結果、分岐鎖アミノ酸であるロイシンおよびイソロイシンはDEX添加による筋萎縮を改善した。一方で、同じ分岐鎖アミノ酸に属するバリンは筋萎縮に対する改善作用を示さなかった。これらの結果からmTOR経路を始めとしたイヌのグルココルチコイド筋萎縮の病態が明らかとなり、またmTORを標的とした分岐鎖アミノ酸による治療の有効性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RagAおよびRheb活性の安定した定量のために検討が必要であった。
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Strategy for Future Research Activity |
グルココルチコイド筋萎縮を誘導したイヌ培養イヌ骨格筋細胞においてmTORC1抑制経路(RagおよびRheb、Akt、AMPKなど)の変化について確認し、その活性化の方法について検討する。
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