2023 Fiscal Year Research-status Report
Optimization for pregnancy mouse condition with MMD combination anaesthesia focusing on fetal autonomic nerve activity
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22K06052
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
伊藤 拓哉 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (70396539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 育民 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10332488)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 胎仔心電計 / 心拍変動 / 妊娠動物麻酔 |
Outline of Annual Research Achievements |
「妊娠日齢によって異なる妊娠マウスに対するメデトミジン(Med)・ミダゾラム(Mid)・ブトルファノール(But)を混合したMMB麻酔投与の最適条件」を目的に外科麻酔深度が得られるMMB投与量を妊娠15.5日目および17.5日目ICRマウスを対象に探索した。 非妊娠マウスと同様の麻酔経過である投与後10分以内に安定した麻酔深度を得るのに妊娠15.5日目では非妊娠マウスの1.2倍量が必要だったが、妊娠17.5日目では0.8倍量で同程度の麻酔深度を得ることができた。この条件からMed用量をそれぞれ0.8倍に減じた低用量でも同程度の時間で麻酔導入することができた。何れの投与条件でも切皮・開腹による母獣の心拍変動指標に変化はなく、45分間疼痛管理上問題のない麻酔条件を得ることができた。 一方、妊娠15.5日目には非妊娠マウスと同用量、妊娠17.5日目には非妊娠マウスの0.5倍量を投与したが何れも外科麻酔深度に達しないか早期に体動が再開したため有効用量以下と判断、下限値を設定した。 母獣外科麻酔深度での胎仔の自律神経活性を評価するため、心拍変動解析を実施した。ケタミン・キシラジン・イソフルラン使用時には観察できた胎齢17.5日目胎仔の心拍変動がMMB麻酔では観察できず、胎仔の自律神経活性の抑制が示唆された。 妊娠ステージでMMB麻酔の感受性が非妊娠マウスとの比較で相対的に逆転したことは想定外であった。妊娠に伴う体重や循環血量増加以外の要因、例えば交感神経・副交感神経の活性バランスの変化などを反映していると推定し、母獣の心臓および脳を検索対象に追加した。 麻酔中の母獣血圧は計測対象とした子宮動脈は処置に伴う収縮が著しく計測不能だった。頸動脈での計測や平滑筋収縮抑制剤の増量など対応策を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
妊娠ステージ毎に安定して外科麻酔深度が得られる投与条件の探索は計画通りに進行している。母仔の心拍変動解析も順調である。一方で、母獣子宮動脈の動脈圧測定はカテーテル刺入時、想定以上に子宮が収縮・血流が途絶してしまうため難航している。ケタミン・キシラジン・イソフルラン使用時と比較し、子宮平滑筋の収縮が抑制できていないことを胎仔心電位に混入する筋電位で数値化、検証しつつ対策を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、妊娠ステージ毎に母仔心電位計測をおこなう。心拍変動が消失した胎仔の臓器間酸素分配を推測すべく関連遺伝子の発現解析を実施する。併せて子宮収縮の対応策を探索、MMB麻酔が妊娠マウスの自律神経活性評価に使用できるか検討する。
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Causes of Carryover |
麻酔条件が計画よりも絞り込みが進み、計測に用いるマウス数を削減することができた。その結果、動物実験関連の消耗品費が抑制されている。 一方で、胎仔の酸素化など状態評価を目的とした遺伝子発現解析を後回しにしている。その分の物品費が未執行になっており、差額が生じている。 胎仔評価は次年度に集中して実施することを予定しており、全体としては計画期間内で研究を完了させる予定である。
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