2022 Fiscal Year Research-status Report
前臨床研究リソースの不足を解決する非ヒト霊長類高度生殖工学技術の開発
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22K06066
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
土屋 英明 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 技術専門職員 (10378440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中家 雅隆 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 特任助教 (90805459)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 生殖工学 / 非ヒト霊長類 / 実験動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、既存の非ヒト霊長類生殖工学技術を更新し、効率的にカニクイザルを繁殖させる基盤技術の開発を目的とする。既存技術においては、胚移植に際して、対象となるレシピエント個体(仮親)の卵巣状態を腹腔鏡下で観察し、排卵痕を確認することで子宮環境が着床に適した状態であるかを予測、体外培養胚の移植を行っていた。しかしながら、この方法では個体差の大きなカニクイザルにおいては確実性に乏しく、また自然周期のタイミングが胚と同調しているレシピエント候補を必要頭数、揃えることが困難であった。そこで初年度においては、より胚移植に適したレシピエントカニクイザルを胚移植に供試する方法を確立するために、生殖周期の基礎データの集積を行った。生殖周期を経時的にモニタリングするために採血を行い、血清の採取、保存を行った。また、超音波診断装置を用いたエコー検査において、子宮内膜の肥厚程度(子宮内膜厚の計測)と腹腔鏡による卵巣および排卵痕の経時的観察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の初年度であるため、サンプル及び基礎データの集積に努めた。このことから、今まで見過ごされてきた既存技術の改善点がいくつか明らかになった。また、技術的課題を克服するための新たな技術開発に着手した。予備検討の結果ではあるが、課題克服の可能性を示唆するデータが得られつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
採取した血清からホルモン値の測定を行い、経時的に取得した子宮内膜肥厚データを統合することで、カニクイザル生殖周期モデルを作出する。このモデルを参考に卵胞ホルモン製剤及び黄体ホルモン製剤の補充を行い、人為的に胚移植に適した子宮環境誘導方法を検討する。カニクイザルにおける検討に先立って卵巣摘出マウスをモデルに、投与予定のホルモン製剤による子宮内膜環境の誘導評価を行っていく。
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Research Products
(2 results)