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2023 Fiscal Year Research-status Report

リボソームの品質管理における機能不全分子の識別機構

Research Project

Project/Area Number 22K06080
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

北畠 真  京都大学, 医生物学研究所, 助教 (10321754)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsリボソーム
Outline of Annual Research Achievements

機能不全リボソームがE3 ユビキチンリガーゼに認識される機構を解明するため、まず最初に細胞内で機能不全リボソームが置かれている状況を解明することを目指している。機能不全リボソームはペプチド合成の活性を喪失しているため、最初のペプチド結合が形成されず、mRNAの開始コドン付近に係留されるという仮説を考えている。この仮説の検証を目指して、リボソームプロファイリングを行うため、技術開発と材料の集積を行った。具体的にはMS2配列を含んだ25S rRNAを利用してMS2コートタンパク質による「機能不全リボソーム特異的なプルダウン」の系を改善し、従来の系よりもより高感度で純度の高いリボソーム粒子の精製が可能な系へと最適化を行った。GSTによるグルタチオンビーズを使った精製方法が従来使用されてきたが、細胞内でビオチン化されるタグ配列を使用して、ストレプトアビジンビーズによる精製方法を試したところ、より不純物のすくない、より多くのタグ付き25S rRNAが(リボソーム粒子として)沈降することが示されている。あわせて精製の手順と条件を最適化し、大量の機能不全リボソームを集めるための準備が整った状態である。
これらのツールを活かして酵母の大量培養を現在行っており、得られたサンプルは凍結して保存している。今後パイロット実験をして精製条件の再確認を行い、予定通りの結果が得られた場合には大量の精製を実行し、当初の目的であったリボソームプロファイリングを行っていく。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまで非常に困難であった機能不全リボソームの精製について、大量発現方法や精製方法などを見直し改善することにより、一定の量の精製が可能であるとの目処がついた。実際にこの方法で細胞の回収もできており、今年度はこれらを使って目的の解析が進められる時たいできる。

Strategy for Future Research Activity

目的の分子を発現する酵母の作成が順調に進んでいるが、一方でこの実験のコントロールとなるような野生型の(MS2タグつきの)リボソームなどの用意がすすんでいない。細胞内で分解を受ける「機能不全リボソーム」に比べ、分解されない野生型リボソームの精製は比較的容易であると期待されるが、実際にアッセイに必要な量を揃えるには大掛かりな培養が必要であり、進めていかなければならない。また、培養条件によっては細胞内のタンパク質合成速度に影響を与える可能性があり(たとえばグルコースの飢餓により翻訳イニシエーションの大幅な低下が起こることが知られている)、場合によっては培養条件の再調整が必要になる可能性もある。これについては得られた細胞の一部をショ糖密度勾配超遠心で分画してポリソームの状況を調べるなどして、一定の品質が得られている細胞のみを選別して使用するなどの工夫が必要であると考えている。

Causes of Carryover

当初の予定では過去に作成したシステムを用いて「機能不全リボソームの精製」を進めていこうとしていたが、実験の過程で既存の方法では純度および収率が不足していることに気が付き、まずシステムの再構築から行う必要があることが分かった。そのための準備と、新たな方法による酵母の大量培養のやり直しを進めるためにスケジュールの組換えが生じ、サンプルを用いた実際の解析は次年度に行うこととなった。また研究の過程で派生した「新しいDNAクローニングの方法」についての論文作成や出版などにも時間を消費したことも、本研究の遅延が起こった原因となっている。今後は遅れを取り戻すために、改善された精製方法の方式にしたがい培養を進め、サンプルの精製を行い迅速に解析に供する予定である。解析についても一部自グループでNGS解析を行うことを検討していたが、近年の受託価格の低下を参考に、基本的には外部に発注して時間の節約に務めることを想定している。

  • Research Products

    (3 results)

All 2023 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Quick and affordable DNA cloning by reconstitution of Seamless Ligation Cloning Extract using defined factors2023

    • Author(s)
      Liu Alexander Y.、Koga Hiroto、Goya Chihiro、Kitabatake Makoto
    • Journal Title

      Genes to Cells

      Volume: 28 Pages: 553~562

    • DOI

      10.1111/gtc.13034

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Quick and affordable DNA cloning by reconstitution of Seamless Ligation Cloning Extract (SLiCE) using defined factors2023

    • Author(s)
      Liu Alexander Y.、Koga Hiroto、Goya Chihiro、Kitabatake Makoto
    • Organizer
      日本分子生物学会年会
  • [Remarks] 新しいDNAクローニング技術の開発―京大学部生研究チームの発見が契機に―

    • URL

      https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2023-05-17-0

URL: 

Published: 2024-12-25  

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