2022 Fiscal Year Annual Research Report
ペルオキシンリサイクル複合体の構造と制御機構の解明
Project/Area Number |
22K06125
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
潘 東青 京都大学, 薬学研究科, 助教 (50710787)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ペルオキシソーム / タンパク質輸送 / AAA-ATPase / Cryo-EM / 構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
リサイクル複合体は、AAA-ATPaseである3つのPex1pと3つのPex6pからなるPex1p:Pex6p複合体とC末アンカー型の膜タンパク質Pex15pによって形成される大きな膜タンパク質複合体である。本研究では、リサイクル複合体(Pex1p:Pex6p:Pex15p)についてその構造と機能の解明を目指した。 高純度に精製したPex1p:Pex6p複合体と、蛍光タンパク質のmEosタグを融合させた擬似基質タンパク質を試験管内で混合し、mEosタグの吸光や蛍光が消失することを指標として基質タンパク質のアンフォールディングを確かめるアッセイ系を構築した。このアッセイ系を用いて、精製したリサイクル複合体の活性を確かめることができた。再構成したリサイクル複合体を用いてCryo電子顕微鏡による単粒子解析に取り組み、3オングストロームの分解能の密度マップを再構成することができた。得られた密度マップをもとに、3つのPex1p、3つのPex6p、そして3つのPex15pが集合した700 kDaを超える九量体の分子モデルを構築することができた。Pex1pとPex6pは1つおきに結合した六量体のリング構造を形成し、ATPase-likeドメインのD1リングは3回回転対称を持つ構造であったが、ATPaseドメインのD2リングは螺旋状の構造をしており、基質タンパク質のアンフォールディング過程を理解する上で、示唆に富む構造をしていた。Pex15pは主にPex6pと結合していた。また、化学架橋と質量分析を組み合わせたCross-linking MS法により、リサイクル複合体の化学架橋解析を行ったところ、Cryo-EM法で構築した分子モデルと化学架橋解析の結果が一致していたため、モデルの正確性を検証することができた。
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