2022 Fiscal Year Research-status Report
分子の揺らぎを邪魔しない小さな標識を用いた高速1分子顕微鏡の開発
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22K06167
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池崎 圭吾 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (10722960)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 超解像顕微鏡 / 1分子計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では分子の揺らぎを邪魔せずに1分子の動きを高速高精度に計測するための超解像顕微鏡技術の開発を目的としている。 昨年度は開発技術の基盤原理の1つである全反射構造化照明法の確立を行った。高い計測精度を達成するためには回折限界まで集光させたレーザー光を用いて構造化照明を実現させる必要がありる。また、全反射照明を実現するためにも対物レンズの開口数のNA1.4以上の領域のみを使用する必要がある。しかしながら、高NA領域を通過する照明光の波面は極めて歪みやすく理想的な波面制御を行うことは難しい。研究計画の第1案では対物レンズの瞳面に共役な光学面に設置した空間光変調器によって波面歪みを補正しドーナツ型の構造化照明を実現する予定であったが、それ以外の光学面で発生した波面歪みによる影響が大きく補正が難航した。そこで、単純なドーナツ型の構造化照明から第2案として用意していた疑似ドーナツ型および亜鈴型の構造化照明に切り替えて波面制御の検討を行い無事に昨年度の目標である全反射構造化照明法を確立した。また、本研究で開発する超解像顕微鏡の最初の計測対象として昨今の研究分野の動向を鑑みて細胞分裂や小胞輸送などの様々な重要な生理的機能を担うキネシン分子を選定した。このキネシン分子に蛍光色素を標識するための変位導入箇所の検討を行い発現コンストラクトの設計に着手した。また、変位導入前のコンストラクトを用いて発現精製系の確認を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
ここまでの研究は当初の予定通りに順調に進捗しており本年度以降の研究計画に変更はない。 本年度は初年度に確立した構造化照明の形状に合わせた高速制御システムとデータ解析ソフトウェアの開発を引き続き行い計測システムの完成を目指す。
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Causes of Carryover |
初年度に購入を予定していた一部の光学部品について、研究室で使用している別の顕微鏡から一時的に都合して実証実験及び光学系の検討を進めていた。初年度の検討結果を元に繰り越した残額で最適な光学部品を調達する予定である。
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