2022 Fiscal Year Research-status Report
タンパク質の構造をとらない領域 の運動性・機能の解析
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22K06174
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
末武 勲 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (80304054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北條 裕信 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (00209214)
武居 俊樹 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (00844771)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | HP1 / ESR / EPR / IDR |
Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質は、構造を取って機能することが、これまでの結晶構造解析・NMRなどによる研究で明らかになっている。しかしながら、タンパク質は、分子全体で大きな1つの「大きな塊」で存在するだけでなく、複数の塊(ドメイン)の集合体として存在し、それらの間をIntrinsically disordered region (IDR)によって連結される。IDRは、不安定構造のために構造が明らかにされにくいことや、結晶構造解析時に排除されるため、その分子レベル解析は遅れている。さらに、タンパク質機能制御等に深くかかわる翻訳後修飾は、高頻度でIDRに存在するため、固い構造でなく、運動性そのものの制御を理解することは、重要な課題である。
エピジェネティクス制御機構に、古くから関与することが知られており、分子内にIDRをもつ、heterochromatin protein 1(HP1)について、研究を進めた。3種類すべてのヒトHP1は、2つのドメインからなり、それらをつなぐIDRとして、hinge region(HR)があり,さらに分子のN末端、C末端の両側にIDR(N-tailとC-tail)があり、HP1は、2量体構造を取ることが知られている。今年度は、IDRの運動性を直接調べようとして、部位特異的に電子SPINを導入し、そのダイナミクスを電子SPIN共鳴法(ESR)で測定する共同研究を進めた。その結果、IDRにても、同様に運動するのでなく、部位によって運動性が異なることが分かった。つまり、HRでは、比較的早い運動をする部位と、遅い運動をする部位に分類されることが分かった。さらに様々な変異体を作り、解析を進めたところ、分子間または分子内相互作用が生じていることが示唆された。(Suetake I et al.,Appl Magn Reson. (2023))。このようにIDRのダイナミクスについて研究を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学会発表だけでなく、論文を出すことができたため
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Strategy for Future Research Activity |
分子ダイナミクスの研究を進めるとともに、分子修飾の理解を進めて行く
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Causes of Carryover |
本年度に、想定外に単年度予算を得たため
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[Journal Article] Dynamics of the HP1 Hinge Region with DNA Measured by Site-directed Spin Labeling-EPR Spectroscopy2023
Author(s)
Suetake I*, Sato K, Sugishita T, Mishima Y, Takei T, Fujiwara T, Mutoh R, Shinohara A, Takui T, Miyata M, Hojo H, Arata T*
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Journal Title
Appl Magn Reson
Volume: 54
Pages: 119 141
DOI
Peer Reviewed
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