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2023 Fiscal Year Research-status Report

ベンサミアナタバコのゲノム解析に基づく植物の接木分子基盤解明

Research Project

Project/Area Number 22K06181
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

黒谷 賢一  名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 特任准教授 (10402778)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 川勝 弥一  名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 研究員 (40899605)
中村 保一  国立遺伝学研究所, 情報研究系, 教授 (60370920)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsベンサミアナゲノム / ベイジアンネットワーク / NbXCP1 / 接木
Outline of Annual Research Achievements

昨年度実施し、解読した結果を公開したベンサミアナタバコゲノム配列情報を用い、ベンサミアナタバコの遺伝子発現プロフィールデータベースを構築した。RNA-seqによってベンサミアナの植物体の、実生から開花期までの各種生育ステージにおいてトランスクリプトームを取得した。また傷処理もしくは接木した茎のトランスクリプトームを部位ごとに取得した。これまでに取得していた接木植物の時系列トランスクリプトームデータに加え、これらのトランスクリプトームデータを解読したゲノム配列をリファレンスとしてマッピングし、得られた結果をデータベース化してウェブサイトにて公開した。
接木時系列トランスクリプトームデータからベンサミアナタバコの全遺伝子レベルのベイジアンネットワーク解析を実施した。これにより、遺伝子間の制御、被制御の関係性を持った発現ネットワークを構築した。
植物の接木の成立には接合部の細胞の癒合の後、穂木と台木の通道組織が再接続されることが重要であると考えられる。今回、植物の通道組織の形成に関わるXYLEM CYCTEIN PROTEASE 1 (NbXCP1)遺伝子の発現が接木接合部位で上昇することを接木時系列トランスクリプトーム解析から見出した。上記ベイジアンネットワークからNbXCP1の発現制御ネットワークの上位にこれまでに道管の形成のマスターレギュレーターであると考えられてきたVND7が存在することを明らかにした。またVND7の下流にはNbXCP1以外にも多数の道管形成遺伝子を含む遺伝子クラスターと、これまで見出されたことのなかった遺伝子クラスターが存在することを示した。これら成果について、プレプリントリポジトリと投稿論文によって公表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初計画のとおり、生育ステージ、器官、接木時系列等の遺伝子発現プロファイルデータベース、及びブラウザを構築し、公開できた。
遺伝子発現ネットワーク解析については、上記発現プロファイルデータベース構築に用いたベンサミアナタバコの接木部位時系列トランスクリプトーム、および発達段階、組織部位ごとのトランスクリプトームの大規模データセットを用い、ベイジアンネットワーク解析の手法を植物において適用することに成功した。まずゲノムにコードされた全遺伝子およそ5万遺伝子の発現ネットワークを得ることができた。そのうえで、接木の成立に重要な遺伝子に注目した1000遺伝子規模の発現ネットワークを互いの因果を含めて得ることができた。得られた遺伝子ネットワークによって、これまでに提唱されていた、道管形成に関わる遺伝子の制御関係を検証できただけでなく、未知の遺伝子クラスターの存在も示すことができた。
道管形成遺伝子の過剰発現、発現誘導、破壊系統は作出済みであり、接木表現型に対する影響を調査中である。

Strategy for Future Research Activity

道管形成遺伝子の発現調節による接木表現型への影響を引き続き実施し、論文化を目指す。
構築した新しいゲノム情報と、遺伝子発現プロファイル情報をもとに遺伝子発現ネットワークを構築する。これまでに発表した以外の接木遺伝子群についても発現ネットワークを解析し、接木の成立、植物の障害応答、傷修復についての知見を深める。異なる植物間での遺伝子ネットワークの共通性、差異を検出し、接木応答性等の理解を深める。ネットワーク解析から明らかとなった接木関連遺伝子群の過剰発現、異所発現、遺伝子破壊によって接木やその他の植物形質にどのような影響が及ぶか検証する。

Causes of Carryover

今年度までに、予定していた物品の調達ならびに打合せや学会発表旅費等の負担が不必要であったため次年度使用が生じた。最終年度には解析データの公開と保存、また学会発表を実施する予定であるため、使用する予定である。

  • Research Products

    (6 results)

All 2024 2023 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 2 results) Presentation (3 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Nicotiana benthamiana XYLEM CYSTEINE PROTEASE genes facilitate tracheary element formation in interfamily grafting2023

    • Author(s)
      Huang Chaokun、Kurotani Ken-ichi、Tabata Ryo、Mitsuda Nobutaka、Sugita Ryohei、Tanoi Keitaro、Notaguchi Michitaka
    • Journal Title

      Horticulture Research

      Volume: 10 Pages: 1-12

    • DOI

      10.1093/hr/uhad072

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Establishing a comprehensive web-based analysis platform for Nicotiana benthamiana genome and transcriptome2023

    • Author(s)
      Kurotani Ken-ichi、Hirakawa Hideki、Shirasawa Kenta、Tagiri Koya、Mori Moe、Ichihashi Yasunori、Suzuki Takamasa、Tanizawa Yasuhiro、Nakamura Yasukazu、Isobe Sachiko、Notaguchi Michitaka
    • Journal Title

      BioRxiv

      Volume: - Pages: -

    • DOI

      10.1101/2023.09.03.556139

    • Open Access
  • [Presentation] Nicotiana benthamianaゲノムとトランスクリプトームの包括的解析プラットフォームの構築2024

    • Author(s)
      黒谷賢一、平川秀樹、白澤健太、田桐昂也、森萌恵、市橋泰範、鈴木孝征、谷澤靖洋、中村保一、磯部祥子、野田口理孝
    • Organizer
      日本植物生理学会
  • [Presentation] 生物間相互作用のモデル植物であるNicotiana benthamianaのゲノム解読2023

    • Author(s)
      黒谷賢一、平川秀樹、白澤健太、谷澤靖洋、中村保一、磯部祥子、野田口理孝
    • Organizer
      日本植物学会
  • [Presentation] 非モデル生物のシークエンス解析・インフォマティクス解析2023

    • Author(s)
      中村保一
    • Organizer
      日本植物学会
  • [Remarks] NbenBase

    • URL

      https://nbenthamiana.jp

URL: 

Published: 2024-12-25  

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