2023 Fiscal Year Research-status Report
Identification of histone modifications responsible for local chromatin compaction affecting transcriptional states
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22K06185
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
石原 悟 藤田医科大学, 医学部, 講師 (00300723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 猛 東京大学, アイソトープ総合センター, 准教授 (70306835)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | クロマチン / ヌクレオソーム / ヒストン修飾 / エピジェネティクス / LCC分画法 / 密度勾配遠心法 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに、沈降速度法による密度勾配遠心法を用いて、隣接ヌクレオソームの結合度の違いから凝集クロマチンと解離クロマチンを分離回収する方法を確立している。ヘテロクロマチンに関与するヒストン修飾であるH3K9me3とH3K27me3について、凝集クロマチンと解離クロマチンでの分布をウエスタンブロティング法で解析したところ、両修飾ともクロマチン間で違いが見られなかった。そこで、網羅的にヒストン修飾を解析する目的で、凝集クロマチンと解離クロマチンからヒストンを精製し、質量分析法での解析を行った。その結果、ヘテロクロマチンとユークロマチンの定義に使われている既知のヒストン修飾に関しては、前述のウエスタンブロッティング解析と同様に、凝集クロマチンと解離クロマチンの間で違いが見られなかった。この結果は、我々が分画して解析している凝集クロマチンと解離クロマチンが、ヘテロクロマチンとユークロマチンとしてカテゴライズされる階層の構造ではないことを示している。その一方で、クロマチン間で違いを示したヒストン修飾が新たに同定された。したがって、これらのヒストン修飾が隣接ヌクレオソームの結合に関与することが示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
凝集クロマチンと解離クロマチンから精製したヒストン修飾の、質量分析による解析の初回分を完了した。これは当該年度の達成目標であり、本研究課題は順調に進捗していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
初回分の質量分析解析データを裏付けるため、複数回の実験の繰り返しを予定している。また、今回の解析で新たに同定されたヒストン修飾の、隣接ヌクレオソーム間結合への関与ついて検証実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
分画クロマチンからヒストンを精製する条件設定の予備実験が順調に進んだ。よって、使用した試薬の量が予定よりも節約できたため、繰り越しされる予算が生じた。今後の質量分析法に用いる試薬の購入に、繰り越し予算を合わせて用いることを計画する。
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Research Products
(2 results)