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2022 Fiscal Year Research-status Report

アクチン微小集合体を起点とした組織スケールの均一性獲得原理の解明

Research Project

Project/Area Number 22K06214
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

内田 清薫 (関根清薫)  東北大学, 生命科学研究科, 助教 (00794398)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 多羅間 充輔  九州大学, 理学研究院, 助教 (90756834)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsアクチン / 超解像イメージング / 組織形成 / ショウジョウバエ / 粗視化分子動力学モデル
Outline of Annual Research Achievements

本研究はショウジョウバエ気管上皮細胞および雄外生殖器周辺上皮細胞をモデルシステムとし、下記5点について、明らかにすることを目的としていた。① 組織特異的なアクチン結合分子、② 生体内細胞に生じるアクチン微小集合体とそれを起点としたパターン形成のプロセス、③ 数理モデルによるアクチンパターンの形成原理、④ アクチン微小集合体を核とする近傍分子の制御機構、⑤ アクチンパターンを組織全体、又は一部で乱した際の組織形態・集団移動に与える影響。
2022年度は、上記の目的のうち①、②、③、④をショウジョウバエ気管上皮細胞について明らかにした。その結果、気管上皮細胞の頂端膜の直下では、アクチンの微小集合体がZasp52およびα-Actininといったクロスリンカーにより自己組織化されており、さらにミオシンが微小集合体同士の融合を制御していることを明らかにした。また、フォルミンタンパク質であるDAAMが管状組織の軸情報を感知することで、微小集合体の動きに異方性を与え、融合を周方向へ偏らせていることが明らかとなった。これらの結果は研究分担者の構築した粗視化分子動力学モデルにおいても、同様の結果がシミュレーションされた。以上の結果および考察に議論を重ね、共同研究者とともに論文にまとめ、投稿した。
また、雄外生殖器周辺上皮細胞においては、①、 ②、④を進めている。特に、②について、リング状のアクチン微小集合体にはMyo1Dに加えて、膜脂質マーカーが局在することを明らかにし、アクチンーMyo1D-膜脂質の関係について解析を進めている。また、分子メカニズムの保存性を検証し、簡便な細胞移動実験を行うため、ほ乳類細胞の系も立ち上げて、実験を進めている。さらに、組織内における超細胞微細構造を明らかにするため、電子顕微鏡を用いた観察を行うための共同研究を開始した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

当初の計画の半分程度を成す、気管上皮細胞におけるアクチン微小集合体の解析とパターニングの自己組織化のメカニズムの解明についてほぼ実験・解析を終え、共同研究者と打ち合わせを行いつつ論文の執筆、および投稿まで達成した。
また、雄外生殖器周辺上皮細胞においても、実験と解析を始めている。予定外の共局在分子などを見つけたため、当初の研究計画や仮説を見直しつつ、新たな共同研究を開始している。また、分子メカニズムの保存性を検証し、簡便な細胞移動実験を行うため、ほ乳類細胞の系も立ち上げて、実験を進めている。
以上、初年度ではあるが研究計画の半分程度を進め、新たな計画を立案・実施していることから、「当初の計画以上に進展している」と判断した。

Strategy for Future Research Activity

今後は、当初の計画通り、ショウジョウバエ気管上皮細胞および雄外生殖器周辺上皮細胞をモデルシステムとして、アクチン微小集合体を起点とした組織スケールの細胞骨格パターニングの分子メカニズムを明らかにすることを目標に実験、解析、理論モデルの構築を行っていく予定である。
気管上皮細胞における研究に関しては、現在論文投稿中のため、その査読の結果を受けて追加で実験や解析を行い、今年度中には論文として発表したい。また、その後も、Expansion Microscopyなどを用いてアクチン微小集合体の局在分子がどのように構成されているかを明らかにしていきたい。
雄外生殖器周辺上皮細胞における研究に関しては、引き続き組織内の観察を行うとともに、哺乳類培養細胞での実験結果を組み合わせて、保存されたアクチンーMyo1D集合体の分子メカニズムの模索を続ける。それらの結果を合わせて、共同研究者と相談をして、新たな粗視化分子動力学モデルの構築を行っていきたいと考えている。

Causes of Carryover

初年度は、当初予定していた現地での共同研究者との打ち合わせをオンラインで行ったため、旅費が予定よりもかからなかった。また、年度途中の研究分担者の異動に伴い、予定していたワークステーションの購入を翌年度まで先延ばしにしたため。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Inhibition of negative feedback for persistent epithelial cell?cell junction contraction by p21-activated kinase 32022

    • Author(s)
      Uechi Hiroyuki、Fukushima Kazuki、Shirasawa Ryota、Sekine Sayaka、Kuranaga Erina
    • Journal Title

      Nature Communications

      Volume: 13 Pages: -

    • DOI

      10.1038/s41467-022-31252-0

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2023-12-25  

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