2022 Fiscal Year Research-status Report
血管構造の変形機構を探る:内皮細胞による血流刺激の感知応答機構の解明
Project/Area Number |
22K06238
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Research Institution | Suntory Foundation for Life Sciences |
Principal Investigator |
高瀬 悠太 公益財団法人サントリー生命科学財団, 生物有機科学研究所・統合生体分子機能研究部, 特別研究員 (70756478)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 血管リモデリング / トリ胚 / 血流刺激 / マイクロ流体デバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は所属機関の異動とそれに伴う主研究テーマの変更のため、本研究を実施するための実験環境を整えることを念頭においた。具体的には、トリ胚血管網による生体内解析系を補完しうる実験系として、マイクロ流路を持つ3次元細胞培養デバイス(マイクロ流体デバイス)と培養血管内皮細胞とを組み合わせたin vitro解析系の実施を考えた。そして、マイクロ流体チップの種類や細胞と混合するゲル組成などについて検討を行い、リモデリング前の(明確な血管パターンを持たない)トリ胚血管網に似た血管構造を作らせる条件を見出しつつある。 この他、前所属機関で携わった研究の論文化、および現所属機関におけるテーマである腸上皮組織の恒常性維持(分化・増殖)機構の解析手法の論文化に従事した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は所属機関の異動とそれに伴う主研究テーマの変更のため、本研究を実施するための実験環境を整えることを念頭においた。現所属機関では、これまで行ってきたトリ胚血管網による生体内解析系の実施は困難であったため、これを補完しうる実験系として、マイクロ流路を持つ3次元細胞培養デバイス(マイクロ流体デバイス)と培養血管内皮細胞とを組み合わせた解析系の実施を考えた。そして、マイクロ流体チップの種類や細胞と混合するゲル組成などについて検討を行い、リモデリング前の(明確な血管パターンを持たない)トリ胚血管網に似た血管構造を作らせる条件を見出しつつある。 加えて、現所属機関における主研究テーマである腸上皮組織の恒常性維持(分化・増殖)機構についても、血管リモデリングとの関連性を探る解析系の創出を試みており、上記のマイクロ流体デバイスを用いた解析系を腸オルガノイド培養系と組み合わせる検討も行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、マイクロ流体デバイスと培養血管内皮細胞とを組み合わせたin vitro解析系を用いて、デバイス内への培地灌流の有無による血管網のリモデリングへの影響を調べる予定である。加えて、当該年度までの結果から見出された動脈リモデリングを牽引するALK1シグナリングが、本in vitro解析系にも働いているかも検証する。そして、トリ胚血管網での解析結果と組み合わせた内容の論文投稿を目指す。その際、トリ胚を使った血管解析が必要になった場合は、前所属機関との共同研究を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
研究代表者が2019~22年度の予定で交付を受けていた若手研究(課題番号19K16140)について、新型コロナウイルス感染拡大などの影響に伴う補助事業期間延長が承認された。そのため、そちらの研究費を優先的に使用して、マイクロ流体デバイスと培養血管内皮細胞とを組み合わせた実験系確立を試みた。 今年度に研究費を繰り越した上で、マイクロ流体デバイスへの利用が可能な流体ずり応力刺激装置(シンプルな機能の灌流用ポンプシステム)を導入計画を考えている。
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Remarks |
research map 個人ページ https://researchmap.jp/yu-takase
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