2023 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of chemo-sensor hypothesis for triggering embryonic Ca asymmetry by the nodal flow
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22K06246
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
廣川 信隆 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 名誉教授 (20010085)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 左右決定機構 / ノード流 / ポリシスチン / 細胞外小胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
体の左右軸決定の分子機構は、発生生物学の重要課題である。胎生初期ventral node の単線毛の回転により胎児外液の左向きノード流が発生しこれが基盤的役割を担う事が示されたが、その後に起こるventral node 左側でのCa ++イオン濃度上昇を繋ぐ分子機構は不明であり、PKD1/PKD2 複合体が、ノード流によってもたらされるNode 線毛の傾きを物理的に感知するmechano-sensor として働くというmechano-sensor 仮説とノード細胞から分泌されるmorphogen が左に流されそれを感知するchemo-sensor として働くという2つの仮説がある。本研究では、photoconvertible KiKGR - Pkd1L1マウスを作製し、ventral node でPKD1L1がノード流により左側へ移送され、左優位の局在を示し、PKD1L1/PKD2 ポリシスチン複合体がNodal をリガンドとして感知し左優位なCa ++イオン濃度上昇をchemo-sensor として惹起し、morphogen 仮説を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PKD1L1の動態解析の為に、CRISPR/Cas9 法により光蛍光転移KiKGR tag でマウスPkd1L1 遺伝子N-末を標識し、光蛍光転移 を用いてventral node でのPKD1L1の動態、左への移送及び左優位の局在の有無を検討した。 1)私達は、まずPKD1L1 とNodal の免疫細胞化学を行いventral node でPKD1L1 蛋白が左のendoderm crown cells(ECCs)に強く局在し、一方Nodal 蛋白は、左右両側に局在する結果を得た。次にPKD1L1 と Nodal の局在をwhole mount proximity ligation assay を用いて解析しventral node の左側で優位に共局在のシグナルが検出された。更に左のcrown cells により取り込まれ内在化されたPKD1L1 がポリシスチン活性を上昇させNodal により誘引される長く持続するCa ++イオン濃度上昇を誘引する結果を得た。 2)CRISPR/Cas9 法により光蛍光転移KikGR cDNA をC57BL/6 マウスPKD1L1 遺伝子start codon の前にknock inし、photoconvertible fluorescence の緑から赤への蛍光転移によりin vivo でPKD1L1蛋白の動態を追跡することが出来た。点状の蛍光シグナルが2-somite stage の胎児の左半分(左NCCを含む)に優位に局在した。 更に蛍光転移実験により、シグナルが左に移送され、PKD1L1 蛋白が、nodal pit cells(NPCs)で翻訳後ノード流で左に移送されることが示され、今まで未知であった左向きノード流と左優位なCa ++イオン濃度上昇を繋ぐ最も重要なFGFR 依存性の分子機構であることを示すことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は当初の計画以上に進展している。今後は、FGFR 情報依存性にnodal pit cells(NPCs)から放出される細胞外小胞の生化学・免疫細胞化学的解析により他の重要な蛋白質の解析を行う。
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Causes of Carryover |
本年度までで、ノード細胞からFGF シグナル依存性にpolycystin Pkd 1L1 を含む細胞外小胞が放出されノード流により左に移送されて、ノード左側でのCa 濃度上昇を惹起する結果を得ることが出来た。次年度は、更に細胞外小胞に含まれる他の蛋白の候補を同定するための生化学及び免疫細胞化学実験及びそれに伴う人件費と、今まで得た結果を国内外の学会及び国際シンポジウムで発表するための費用(旅費等)に使用する為である。
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Research Products
(6 results)