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2022 Fiscal Year Research-status Report

光強度に応答した腋芽形成機構の解明

Research Project

Project/Area Number 22K06267
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

田中 若奈  広島大学, 統合生命科学研究科(生), 助教 (10725245)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsブランチ形成 / 腋芽メリステム / 幹細胞 / TAB1遺伝子 / イネ
Outline of Annual Research Achievements

これまでに、私たちの研究グループでは、イネにおける腋芽形成の制御因子候補(光シグナルも含む)を複数見出してきた。本研究では、これら因子に着目することで、光強度に応答した腋芽形成機構を明らかにすると同時に、腋芽形成の新規制御機構を見出すことを目指している。本年度は、まず、光強度が与える腋芽形成への影響を解析するための新規実験系の作出を試みた。人工気象器を用いて、光強度を変えた際のブランチや腋芽の表現型データを収集した。加えて、腋芽形成を制御する新規遺伝子候補の機能解析も実施した。以前私たちは、WOX転写因子をコードするTILLERS ABSENT1 (TAB1) 遺伝子が、イネの腋芽分裂組織の形成に必須であることを明らかにしていた(Tanaka et al., 2015; Tanaka and Hirano, 2020)。このTAB1 遺伝子の花形成時の機能解明を進めていた中、花の発生に関わる既知遺伝子(仮称:「TAB1 SUPRESSOR1 (TAS1)」遺伝子)の突然変異が、tab1変異体のブランチ形成不全を抑圧することを偶然見出した。この結果から、TAS1遺伝子がTAB1 遺伝子の機能に関連して、腋芽幹細胞の維持制御に関わっている可能性が示唆された。そこでまず、TAS1とGFPとの融合タンパク質を発現させるようなコンストラクト(gTAS1-GFP)を作製し、融合タンパク質の発現パターンを解析した結果、gTAS1-GFP融合タンパク質は、TAB1遺伝子が発現する腋芽形成初期の分裂組織予定領域において発現を開始し、腋芽分裂組織が形成される時期には、分裂組織とそこから分化した葉原基において発現することを明らかにした。さらに、複数のメリステム関連マーカーの時空間的な発現解析を行い、TAS1遺伝子が腋芽形成時の幹細胞制御に関与していることも示唆した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

上述したように、腋芽形成を制御する新規遺伝子を同定し、機能解析を順調に進めている。一方で、光強度と腋芽形成との関係性に着目した研究計画は、当初の計画通りには進んでいない。人工気象器を使って光強度を変えた際のブランチや腋芽の表現型データを何度か収集したが、再現性が取れていないためである。

Strategy for Future Research Activity

上記の光強度と腋芽形成との関係性に着目した研究については、実験系の改善を行う。最近、同一の人工気象器内でも詳細に光強度を調べてみると、場所によって光強度が若干異なることが判明した。この違いが、ブランチや腋芽の表現型へ影響している可能性を考えている。場所毎による正確な光強度を測定し、実験系の作出を引き続き試みる。加えて、光シグナル研究の専門家に相談して、研究を進めていくことも計画している。
腋芽形成を制御する新規遺伝子候補(TAS1遺伝子)については、引き続き機能解析を進めていく予定である。

Causes of Carryover

光強度に応じた腋芽形成の制御機構について解析するための実験系が未だ作出できていないため、本年度に計画していたオミックス解析や遺伝学的解析などを実施できなかった。そのため、次年度使用額が生じてしまった。
次年度中には上記実験系を作出し、オミックス解析や遺伝学的解析などを進めていく予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2023 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] Genetic basis controlling rice plant architecture and its modification for breeding2023

    • Author(s)
      Wakana Tanaka, Takaki Yamauchi, Katsutoshi Tsuda
    • Journal Title

      Breeding Science

      Volume: 73 Pages: 3-45

    • DOI

      10.1270/jsbbs.22088

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] イネの形態形成を制御する発生遺伝学的研究2023

    • Author(s)
      田中若奈
    • Organizer
      日本育種学会第143回講演会
    • Invited
  • [Presentation] イネの D 型サイクリン OsCYCD3;1 遺伝子はメリステムの活性を維持することで分げつ形成を促進している2022

    • Author(s)
      大山歩弥,冨永るみ,鳥羽大陽,田中若奈
    • Organizer
      日本育種学会 第14回中国地域育種談話会
  • [Presentation] イネの分げつ形成にはたらくD 型サイクリン OsCYCD3;1 遺伝子の解析2022

    • Author(s)
      大山歩弥,冨永るみ,鳥羽大陽,田中若奈
    • Organizer
      日本植物学会 東北植物学会第12回大会
  • [Book] つくると食べるをつなぐサイエンス 最先端の生物生産学図鑑2022

    • Author(s)
      三本木至宏、中村隼明、都築政起、西堀正英、新居隆浩、松崎芽衣、堀内浩幸、妹尾あいら、杉野利久、黒川勇三、島田昌之、梅原崇、上田晃弘、田中若奈、長命洋佑、大村尚、太田伸二、河合幸一郎、平山真、冨山毅、若林香織、浅岡聡、加藤亜記、坂井陽一、山本祥也、小泉晴比古、矢中規之、中山達哉、船戸耕一、藤井創太郎
    • Total Pages
      130
    • Publisher
      恒星社厚生閣
    • ISBN
      9784769916857

URL: 

Published: 2023-12-25  

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