2022 Fiscal Year Research-status Report
微小管ダイナミクスを制御する新規微小管付随タンパク質の機能解析
Project/Area Number |
22K06271
|
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
濱田 隆宏 岡山理科大学, 生命科学部, 准教授 (20452534)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 植物 / 微小管 / MAPs |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、微小管付随タンパク質群プロテオーム解析により発見された新規微小管付随タンパク質群(MAPs)であるCCMA familyの機能解析を行なっている。CCMA familyはシロイヌナズナのゲノムには4遺伝子座が存在し、これまでに遺伝子系統樹的に近いCCMA1とCCMA2、もしくはCCMA3とCCMA4の二重変異体が作出されてきたが、顕著な表現型は確認されていなかった。そこで今年度はCCMA familyの作出した4重変異体の解析を行なった。MAPs変異体に特徴的である根のねじれを評価したところ、4重変異体の根は左にねじれた。さらに微小管重合阻害剤を加えた場合、4重変異体や2重変異体が過敏に応答することが観察された。また作出したCCMAの四重変異体にGFP-tubulinを導入し、その微小管動態を野生型植物体と比較観察したところ、CCMAの四重変異体では野生型よりも微小管の重合速度が上昇するという結果が得られた。 次に内生プロモーターによりCCMA4-GFPをシロイヌナズナで発現させ、pUBQ10-mCherry-tub6でラベルした微小管との同時観察を行った。その結果、CCMA4-GFPは微小管全体に局在するものの、特に微小管重合時のプラス端に強く集積することが確認できた。この局在は、微小管プラス端の重合制御に関わるという変異体で得られた結果と一致している。これらの結果より、CCMAの機能は微小管のプラス端で重合速度を抑えることで微小管を安定化していると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CCMAの機能解析に関しては、期待通りの進展が得られている。これらの成果については論文として発表することを目標にしている。また次年度の研究に関する準備も着実に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
CCMAと相互作用するタンパク質の同定を行うことで、CCMAの機能を更に明らかとする。そのために必要な植物体の準備が進んでいる。またCCMAの微小管に対する機能を明らかにするために、CCMAタンパク質を精製tubulinから重合させた微小管に添加し、in vitroでの微小管ダイナミクスを解析する。使用するCCMAタンパク質は精製用タグを付加し、大腸菌もしくはシロイヌナズナ培養細胞で発現させて精製を行う。測定する項目は微小管の重合量、束化能、伸長測度、短縮速度、カタストロフ頻度、レスキュー頻度である。
|