2022 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of the mechanism for high light tolerance in photosystem I in the green alga Chlamydomonas reinhardtii
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22K06275
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
高橋 拓子 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (50748126)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 光化学系I複合体 / ターンオーバー / 光阻害 / チラコイド膜タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
光合成の最適化には、二つの光化学系((PSI, PSII)が協調的に機能することが重要であるが、PSIIは強光ストレスに弱く容易に失活する一方、PSIは強光下でも活性を維持することが知られている。また、PSIIは光阻害の受けやすさから複合体のターンオーバー速度が速いことがわかっているが、PSI複合体のターンオーバーに関する知見はほとんどない。本研究では、PSI複合体のターンオーバー過程を明らかにすることを目的として、クラミドモナスを用いて解析を行なっている。 これまでの報告及び自身の解析結果から、チラコイド膜タンパク質PGRL1が、強光下でのPSI活性維持に必要であることが明らかになっているため、本研究ではPSI光阻害のモデルとして、PGRL1欠損株を及び野生株クラミドモナスを用いて、強光ストレス前後でのPSI活性の変化並びにPSIサブユニットのタンパク質レベルを解析している。 これまで、野生株ではPSI光阻害が起こらないことが知られていたが、条件次第では野生株においてもPSI光阻害が起こる可能性があることが示唆されたため、解析を続行している。PSI光阻害後、PSIタンパク質レベルは大きく減少しないように見受けられたが、こちらも再現性について解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの先行研究が少ない研究課題であるため、解析を行う上での試行錯誤が必要ではあるが概ね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通り、PSI光阻害後のPSI活性とPSIサブユニットのタンパク質レベルを調べる。これらの関連が明らかになったのちに、PSI-LHCI複合体の会合状態についても解析を行う。解析方法としては、タンパク質精製やBlue Native PAGEを検討している。
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Causes of Carryover |
PSI活性を測定する光合成活性測定装置が作動しないため、修理費に充てる予定である。
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