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2022 Fiscal Year Research-status Report

C4植物の葉の表裏軸と裏面C4回路の光による誘導現象

Research Project

Project/Area Number 22K06287
Research InstitutionRyukoku University

Principal Investigator

古本 強  龍谷大学, 農学部, 教授 (30313208)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
KeywordsC4光合成 / 維管束鞘細胞 / 葉肉細胞 / 葉緑体 / タンパク質輸送
Outline of Annual Research Achievements

C4光合成は葉肉細胞と維管束鞘細胞との機能分化の上に成立する。なかでも、それぞれの細胞での葉緑体機能が大きく分化している。これまでそれぞれの細胞を分取し、オルガネラを調製することで、そのタンパク質成分の違いが検討されてきた。細胞内では、転写、翻訳、の後、オルガネラにタンパク質が適切に輸送されることが必須であるが、この輸送機構について両細胞間の機能分化があるのかないのか、検討されてこなかった。
我々はこれまでに、薄層化した葉の組織切片に対し、外部から電気ショックを与えることで、両細胞に一過的に遺伝子を導入する方法を開発してきた。この方法では、外部液に含まれる意図したDNAをそれぞれの細胞に導入することが可能となる。この検討の際に、それぞれの細胞の葉緑体に特化した輸送タンパク質(Bass2及びBass4)をマーカータンパク質として利用し、それぞれにGFPあるいはRFPを融合させたものを発現するよう、PCR産物を調製した。その上で、導入、可視化することに成功した。
Bass2は葉肉細胞葉緑体に比較的強く局在したが、同時に導入されたBass4についてはそのような偏在は示されなかった。この結果は、Bass2タンパク質は、維管束鞘細胞の葉緑体に運搬されにくい性質を持っていることを示している。これはタンパク質輸送についても、細胞機能の分化が生じていることを示す初めての結果である。
さらに今年度には、他のマーカータンパク質であるPPDKやNADP-MEについてもGFPあるいはRFP融合タンパク質として調製し、可視化することを試みた。この際、それぞれのトランジットペプチドのみを融合させることで可視化し、構造タンパク質部分の影響を排除するように工夫した。結果については繰り返しなど再現性の確認を要するが、トランジットペプチドのみで運搬の特異性を検証することができる結果を得た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

葉肉細胞特異的なBass2-GFPのシグナルは、明瞭であったが、タンパク質が輸送された後、不安定化するメカニズムがあると想定してもこの現象は説明できる。このBass2-GFPの特異性が、タンパク質輸送に由来するのか、あるは輸送後の安定性に由来するのかについては、もっとも初期に検討したい課題であった。
今回、構造タンパク質部分を欠失したトランジットペプチドのみで特異性が確認できたので、タンパク質輸送に特異性があると想定を進めることができた。

Strategy for Future Research Activity

こうした特異性は全てのC4植物に共通する現象なのか、それとも、C4光合成の収斂性と同じく、種ごとに異なりうるものなのかを検討する必要がある。具体的には、キビやヒエなどの入手が容易なC4植物を用いて検討し、細胞特異性に変化があるかどうかを確認する。

Causes of Carryover

0円となるような補正作業を行わなかったために、端数が出た。この端数は次年度に回す。121円と少額なので、計画に変更はない。

URL: 

Published: 2023-12-25  

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