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2022 Fiscal Year Research-status Report

新奇疾患モデル動物を用いた頭部形態異常の病態解析

Research Project

Project/Area Number 22K06295
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

阿部 真土  大阪大学, 大学院歯学研究科, 講師 (40448105)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 三浦 郁生  国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 開発技師 (70624948)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords口蓋裂 / 先天異常 / 頭蓋顔面発生 / GPCR
Outline of Annual Research Achievements

本計画では2系統の口蓋裂を示すマウス系統の異常が発症する分子メカニズムの解明を目指している。
1.1つ目の系統は神経堤細胞においてGPCR下流シグナルを変化させたマウスを用いている。本マウスは断乳時まで生存する個体がいないことが判明した。また、出生直後に致死となることはないが、口蓋裂があるため十分な授乳ができないことが死因となると考えられた。本マウスでは鼻腔の直下に異所性の軟骨塊が形成されることも見出した。この軟骨塊は上顎の切歯歯胚の形成予定領域を占め、上顎切歯の発生は鐘状期初期で停止していた。また、両側の眼間距離を胎生18日齢マウスで測定したところ、有意に変異マウスで拡大しており、両眼隔離症を示すことも分かった。遺伝子発現解析で口蓋裂と関連の深い主要な遺伝子の発現パターンを検討したところ、いくつかの転写因子、代謝酵素、分泌因子の口蓋突起における発現が低下していること見出した。
2.2つ目の系統は重篤な口蓋裂を示す自然発症マウス系統を用いている。もともとC57BL6N近交系の遺伝的背景で何らかの原因で変異が入ったと考えられた。一方、その後の交配様式から様々な遺伝的背景が混ざっていた状態となってしまっていた。そこでまず変異をヘテロで持つオスマウス4匹のSNPジェノタイピングを行い、より均一な遺伝的背景の個体を選択した(選択した雄マウスはC57BL6J系統に近い遺伝的背景であった)。そこで、SNPの見られる頻度が高いC57BL6JJcl系統(日本クレア)メスマウスと交配を繰り返すのと併行して、変異遺伝子の有無を交配実験の表現型解析より行った。変異をヘテロで持つオスマウスのY染色体をC57BL6Jにするために一度変異を持つメス個体と交配させる必要があるが、この変更は現在のところうまくいっていない。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

組換えマウスと自然発症マウスを用いた頭部形態異常の解析を並行して行っている。
組換えマウスを用いた実験系では頭頚部異常が起こる一部の分子メカニズムが解明できていることからおおむね順調と判断した。
一方、自然発症マウス系統の遺伝子解析は解析に用いる主たる親マウスの選択は行ったが、その後の解析に用いるのに必要な仔マウスの匹数が多いため、思ったより時間がかかっている。スピードアップを図るために、交配に用いるメスマウスの匹数を多くして、ケージ数が膨張してでもやや力技で進める必要がある。親マウスの選択の際に用いたSNPジェノタイピングは分担者による解析で問題なく検出されており、仔マウスサンプルさえ獲得できれば、前進することは想定している。

Strategy for Future Research Activity

今後の方針として以下を検討している。
1.組換えマウスにおける異常の解析:前頭鼻隆起由来の構造が最も大きな影響を受けていることから、胎生11日齢マウス胎仔の前頭鼻隆起と、胎生14日齢マウス胎仔の上顎隆起口蓋突起の遺伝子発現プロファイルをRNA-seqにより取得する。この発現解析より、大きく変化する遺伝子群を抽出できるだけでなく、変化するシグナル経路を見出せるよう解析を進める。その後は再度マウス個体を用いた解析に戻り、見出した経路の異常発症への関与を探る。
2.自然発症マウス系統についてはすでに8匹近くのオスヘテロ変異マウスを用いて繁殖を行っている。夏前までには2回目のSNPジェノタイピングをできるようにサンプル数をそろえたいと考えている。

Causes of Carryover

前年度中の研究の進捗状況が良かったため、前倒し請求を行った。できるだけのちの最終解析に時間をさけるように行ったものである。予定していた前倒しの計画の一部は実施できたが、一部の解析は急がずに見送ったほうが良いと判断したため、次年度の使用額が生じた。予定していた解析は継続して行う。

  • Research Products

    (4 results)

All 2023 2022 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Kruppel-like Factors in Skeletal Physiology and Pathologies2022

    • Author(s)
      Abe Makoto、Saeki Naoya、Ikeda Yuki、Ohba Shinsuke
    • Journal Title

      International Journal of Molecular Sciences

      Volume: 23 Pages: 15174~15174

    • DOI

      10.3390/ijms232315174

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 毛髪鼻指節骨症候群の生後の病態を示す新規TRPS1低発現型マウス系統の解析2023

    • Author(s)
      佐伯直哉、阿部真土、大庭伸介
    • Organizer
      第128回日本解剖学会学術集会
  • [Presentation] Trps1 hypomorphic mice show postnatal skeletal dysplasia recapitulating phenotypes of Trichorhinophalangeal syndrome.2022

    • Author(s)
      Naoya Saeki, Shinsuke Ohba, Makoto Abe
    • Organizer
      4th Herbert Fleisch Workshop
    • Int'l Joint Research
  • [Remarks] 大阪大学大学院歯学研究科 組織・発生生物学講座

    • URL

      https://web.dent.osaka-u.ac.jp/oa1/index.html

URL: 

Published: 2023-12-25  

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