2022 Fiscal Year Research-status Report
How the two circadian oscillators determine the length of the active period
Project/Area Number |
22K06311
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
仲村 朋子 (吉川朋子) 富山大学, 学術研究部教育研究推進系, 准教授 (30451397)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | 概日時計 / サーカディアンリズム / 視交叉上核 / 振動体 / アルギニンバソプレッシン |
Outline of Annual Research Achievements |
概日時計は、生物が昼夜や季節という自然環境の変化を予測し、生体環境を整えるために非常に重要な生理機能である。夜行性の動物は、夕方から活動を開始し、朝には活動を終了する。このとき、活動開始はEvening (E)振動体、活動終了はMorning (M)振動体という別の概日振動体が制御すると考えられている。それぞれは明暗条件に同調し、独立に振動可能であるが、通常は相互に同調(相手の位相や周期を調節)して機能すると考えられているが、そのメカニズムには、未だ不明な点が多い。本研究では、E振動体とM振動体が共同して、日長を認識し、活動期の長さを一定に保つ仕組みを明らかにすることを目指す。 これまでの活動リズム測定の結果から、時計遺伝子のひとつClockの19番目のエクソンを欠失したClock変異マウスは、E/M振動体の同調が減弱したモデルであると考えている。培養SCNを用いた発光リズム解析から、M振動体がE振動体を引付ける力が減弱していることを示唆するデータを得た。概日時計の中枢である視交叉上核には、細胞間やSCNの領域間ネットワークの形成に関わる神経ペプチやその受容体が発現している。そのひとつであるアルギニンバソプレッシン発現・分泌量の低下が疑われたため、視交叉上核におけるAvp mRNAの発現リズムを解析した。その結果、予想していた通りにアルギニンバソプレッシンmRNA発現量の有意な低下が観測された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスの繁殖・維持に想定外の問題が生じ、実験に使用できるマウスが十分数得られなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
マウスの繁殖・維持に、これまで以上に注意を払い、必要数が常に確保できる体制を目指す。
|
Causes of Carryover |
実験動物の不足により遂行できなかった本年度分の実験を、次年度に行う。
|