2022 Fiscal Year Research-status Report
ミツバチのベクトル統合の神経回路と蜜源ナビゲーションにおける制御機構の解明
Project/Area Number |
22K06325
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
藍 浩之 福岡大学, 理学部, 准教授 (20330897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 龍一 神戸大学, 理学研究科, 学術研究員 (20423006)
佐倉 緑 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (60421989)
池野 英利 福知山公立大学, 情報学部, 教授 (80176114)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 脳・神経 / 行動学 / 神経科学 / 昆虫 / 生理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
尻振りダンスで生じる振動が前大脳の中枢においてどのように情報処理されるのかを調べるため、前大脳側葉に分枝するニューロンの形態学的、生理学的に同定を進めた。今年度に同定した前大脳側葉における振動応答性を示すニューロンは、形態学的に以下の4つのタイプに分けられることが分かった。しかし、今後も同定を進めていく必要があり、さらに異なるタイプのニューロンが同定される可能性がある。 1,前大脳側葉ー背側葉ニューロン:尻振りダンス振動に対し、緊張性抑制応答をした。このニューロンは、すでに同定したDL-Int-2とその形態が非常に似ているが、食道下神経節背側領域には分枝していない。応答性はDL-Int-2と似ているため、その機能的な違いが注目されるが、今のところは不明である。 2,前大脳側葉ー背側葉ー食道下神経節背側領域ニューロン:尻振りダンス振動に対し、緊張性抑制応答、または刺激開始時興奮応答をした。これら応答性の異なるニューロンどうしがどのような関連があるかは、今のところは不明である。 3,前大脳側葉ー背側葉ー前大脳中央後方領域ー食道下神経節背側領域ニューロン:このニューロンは、3例中1例で尻振りダンス振動に対し、緊張性抑制応答をした。応答性のないニューロンが、常に振動刺激応答性がないのか否かについては本実験ではわからなかった。 4,両側前大脳側葉ー両側前大脳中央後方領域ニューロン:尻振りダンス振動に対し、刺激開始時興奮応答をした。このニューロンは、すでに同定したBilateral DL-dSEG-LPとその応答性が似ているが、背側葉には分枝していない。おそらく、前大脳側葉が入力領域で、前大脳中央後方領域に情報を伝達するニューロンである可能性が高い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では尻振りダンスで符号化された距離と方向を符号化する神経回路を同定することが目的であるため、今年度は主に、その候補となる介在ニューロンの形態学的、生理学的同定を精力的に進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
観察巣箱内で尻振りダンスに追従した個体を巣入口で捕獲し、その個体から埋め込み電極によって、飛行の際の神経信号を記録する準備を進めている。
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Causes of Carryover |
予定していたデータ取り込み用ADコンバータの機種が業者で生産中止となり、代替の機種の選定をしている。
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Research Products
(10 results)