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2022 Fiscal Year Research-status Report

多栄養段階に渡る被食-捕食関係における群集・進化動態の実験的解析

Research Project

Project/Area Number 22K06350
Research InstitutionNational Institute of Advanced Industrial Science and Technology

Principal Investigator

山本 京祐  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (70636472)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords生態ー進化フィードバック / 捕食性細菌 / 食物連鎖 / 進化的軍拡競争 / ウイルス
Outline of Annual Research Achievements

本年度は先行研究において得られた進化株・集団、すなわち被食者(大腸菌)、捕食者(Bdellovibrio bacteriovorus)、上位捕食者(B. bacteriovorus感染性ウイルス)の3種を用いた二者および三者混合連続培養系による短期(5週間)進化実験で得られている各種の進化株・集団について生理学的・遺伝学的特徴づけを進めた。とくに、これまで未実施であった上位捕食者の性状評価に着手するため、上位捕食者進化株の分離培養を進めた。これにより上位捕食者の存在がいかにして捕食―被食系の進化動態を変化させるかという点について評価が可能になる。現在までに祖先型捕食者の捕食非依存性突然変異株(host-independent株)を宿主として用いて分離培養を進めているが、進化上位捕食者の感染性能や進化捕食者の感染感受性に変化がある可能性を考慮し、捕食者進化株のhost-independent株を取得し宿主として使用することも検討する。また、新規進化実験系を立ち上げて長期間の適応共進化実験を実施することはできなかったものの、これまでに得られている中期(10週間)・長期(6ヶ月~、被食者はPseudomonas fluorescens)進化実験系サンプルの一部の集団ゲノム情報を取得したため、変異点の解析に着手した。その結果、捕食者および被食者のゲノムにおいて多数の変異(一塩基置換および欠失)を同定することに成功している。今後各種変異が捕食者および被食者の表現型(捕食性能および捕食耐性等)に及ぼす影響を評価することで、多栄養段階に渡る微生物被食-捕食関係において適応的な表現型の分子基盤に迫る。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴う各種対応により研究遂行に支障をきたしており、上位捕食者の性状解析や中期および長期進化実験系サンプルの集団ゲノム解析に部分的ではあるものの着手することができた一方で、短期進化実験で得られた進化株や集団の生理学的・遺伝学的特徴づけに関しては十分に実験を進めることができなかったため、進捗は「やや遅れている」と判断した。

Strategy for Future Research Activity

当初計画に基づいて、各種進化実験系で生じた進化株の捕食性能や捕食耐性といった生理学的特徴を明らかにしていくとともに、進化集団や進化株の遺伝学的(変異パターン)特徴づけも進めていく。さらに遺伝子発現変化の解析や人為的変異導入による変異の適応効果検証についても準備を進める。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス感染症の蔓延に係る各種の対応によって、本年度に実施予定であった実験の大部分が実施できず、各種物品の購入費やゲノム解析関連の分析費用等の支出が減った。また、研究打ち合わせの多くをオンラインで実施したため、旅費の支出も減っている。これらの理由から次年度使用額が生じたが、次年度は本年度実施予定であった各種実験(進化株生理学的キャラクタライズ等)を進めるとともに、対面での打ち合わせや学会参加を積極的におこない、未使用額をそれらの経費に充てる予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 微生物栄養カスケードにおける共進化動態の実験的解析2022

    • Author(s)
      山本京祐、玉木秀幸
    • Organizer
      日本微生物生態学会第35回大会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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