2024 Fiscal Year Annual Research Report
瀬戸内海の褐藻ワカメ集団の起源ー系統地理解析と人為的導入の影響評価
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22K06372
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| Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
上井 進也 神戸大学, 内海域環境教育研究センター, 教授 (00437500)
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| Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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| Keywords | 一塩基多型 / 瀬戸内海 / 海藻 / 養殖 / 国内移入 |
| Outline of Annual Research Achievements |
令和6年度については、九州沿岸のワカメ型サンプルや、和歌山県沿岸のヒロメ型サンプル、中国のワカメ型サンプルを新たに解析に加え、瀬戸内海のワカメの遺伝的多様性の解明と、養殖を介した他の地域の集団からの遺伝的影響について明らかにした。DNA抽出にはおおよそ250個体を用いたが、データのフィルタリングにより最終的に197個体を遺伝的構造の解析に用いた。SNPデータははGRAS-Di法により作成し,欠損値により2つのデータセット(欠損値<0.1:704snp・197個体,および<0.2:2433snp・185個体)を作成したが、結果に大きな違いは見られなかった。ネットワーク系統樹とPCAにおいては,1)ヒロメ型個体(愛媛・和歌山)と,2)紀伊水道ワカメ型が,3)それ以外のワカメ型個体から区別され,さらに,4)養殖個体・一部の野生個体・東北と中国の個体が,3)とは別グループとして区別できた。Admixture(k=4)によるクラスタリングは,これらの結果と矛盾せず,また,kの増加に伴い海域ごとにグループが細分化され,地理的に隣接するグループの間には,交雑を示唆する結果が得られた。また,瀬戸内海東部の一部の野生個体には,養殖個体の遺伝的影響が見られ,養殖個体と野生個体の交雑も示唆された。 加えて、淡路島沿岸について、93サンプルのワカメ型個体からなる別データセットを作成し(うち20個体は瀬戸内海全体と共通サンプル)、養殖による遺伝的影響について詳細な解析を実施した。結果は、瀬戸内海全体のデータセットと矛盾はなかったが、養殖サイトに近い地点では養殖個体の遺伝的影響が強いのに対し、沿岸距離で50kmほど離れるだけで影響が見られなくなることが明らかになった。培養実験では、養殖個体の遺伝的影響を説明するような成長適温の違いは確認できなかった。
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